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人間と環境への低レベル放射能の脅威 書籍紹介


人間と環境への低レベル放射能の脅威
−福島原発放射能汚染を考えるために

著者はラルフ・グロイブ
アーネスト・スターングラスがイントロデュースを書いてます
 
原題は“The Petkau Effect: The Devastating Effect of Nuclear Radiation on Human Health and the Environment”
いわゆるペトカウ効果について書いた本
肥田舜太郎・竹野内真理訳で、あけび書房から3990円で出版
 
このペトカウ効果こそ、内部被曝の脅威を形作る低線量放射線の威力を解き明かしたもの
肥田舜太郎さんと鎌仲ひとみさんの共著『内部被曝の脅威』から肥田さんの解説部分を抜き書きします
 

放射線の人体に対する影響の医学的な解明を阻んでいた壁の一つは、放射線に対する細胞膜の強大な障壁だった

アブラム・ペトカウは1972年、マニトバにあるカナダ原子力委員会のホワイトシェル研究所で全くの偶然から、ノーベル賞に匹敵する次のような大発見をした

液体の中に置かれた細胞は高線量放射線による頻回の反復放射よりも、低線量放射線を長時間、放射することによって容易に破壊することができることを実験で確かめた
 
ペトカウ(医師)は牛の脳から抽出した燐脂肪でつくった細胞膜モデルに放射線を照射して、どのくらいの線量で膜を破壊できるかの実験

エックス線の大装置から15.6シーベルト/分
【許容線量は1ミリシーベルト/年】の放射線を58時間
全量35シーベルトを照射してようやく細胞膜を破壊することができた
 
ところが実験を繰り返すうち 誤って試験材料を少量の放射性ナトリウム22が混じった水の中に落としてしまった

燐脂肪の膜は0.007シーベルトを12分間被ばくして破壊されてしまった
彼は何度も同じ実験を繰り返してその都度同じ結果を得た
そして 放射時間を長く延ばせば延ばすほど細胞膜破壊に必要な放射線量が少なくて済むことを確かめた

こうして長時間 低線量放射線を照射する方が高線量放射線を瞬間放射するよりたやすく細胞膜を破壊する ことが 確かな根拠を持って証明されたのである

これが「ペトカウ効果」と呼ばれる学説
 

肥田さんはこれに続いて次のような紹介も
 
ピッツバーグ大学医学部放射線科のスターングラス教授は
ペトカウ説を基礎として研究をさらに深め次のような結論に辿りついた

放射線の線量が非常に低い低線量域では生物への影響はかえって大きくなる

低線量放射線の健康への危険度はICRPが主張する値より大きく乳児死亡の倍になる線量は四・五ミリシーベルトである

アメリカや中国の核爆発実験の放射性降下物によって乳幼児の死亡率が増加した

放射性下降物に胎児期被ばくした子供に知能低下が生じた

スリーマイル島原発事故によって放出された放射能によって胎児死亡率が増加した

このようにスターングラス教授は内部被曝による人体への悪影響を認めアメリカの核政策を批判している
 

さらに肥田さんは次のような一文も付け加えてます
 
広島・長崎で爆発後市内に入市した多数の内部被曝者を長年継続して診てきた私は、彼らの経験したいわゆる「急性症状」と数カ月から数年十数年後に彼らに発症したぶらぶら病症候群は内部被曝による低線量放射線の影響と診るのが最もよく説明できるので私はペトカウ効果と、それを基盤にしたスターングラスをはじめとする多くの学者 研究者の「低線量放射線有害説」を支持して疑わない
 
なぜ内部被曝の脅威が隠されてきたのか
この書はこの隠されてきた驚異を暴いてくれたペトカウ博士の研究成果を解き明かしたものであり この時期に読むべき最も大事な文献だ
 

非常に重大な内容なので 特に行政関係者 子供を持つ親御さんたちには早急に読んでいただきたい
 

人間と環境への低レベル放射能の脅威ー福島原発放射能汚染を考えるために

ラルフ・グロイブ、アーネスト・スターングラス著
肥田舜太郎・竹野内真理訳
あけび書房(http://www.akebi.co.jp/)
03-3234-2571 akebi@s.email.ne.jp
3990円 337頁
 
低線量被曝問題をこれ以上につぶさに扱った本は現時点では国内には存在しないと確信しています
共訳者は広島原爆で被曝した医師である肥田舜太郎さんです
長年被爆者の治療を行うとともに国際的な反核活動や低線量内部被曝問題にも数々の翻訳を通して従事されてきた方です
 
低レベルでも恐ろしい放射能による障害を国内外の研究論文も引用しながら、ICRPを含む、今までの国際機関や政府による放射線防護基準がいかに甘いものであるかが科学的に詳述されています
値段が高いのが難点ですがそれ以上の価値はあると
 


 
子供たちを被曝させてはならない根拠が満載
日本の将来の子供たちの被曝を少しでも減らすことにつながればと強く願ってます



昭和6年発行の村上計二郎著
「人類滅亡期と次の高等生物」
 「精神的退化」の章
「無哲学/道徳の腐敗/学芸の堕落/人類の精神的自殺」まるでいまの日本

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2011/07/11 20:01
こんばんは(*'-'*)
詳しい本知ってますね~
放射線の問題は、本当に困ったものです
電力会社のやらせメールとかも・・・ε-(o´_`o)ハァ・・って感じですね;



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