一頭の競走馬からもらったもの①
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/05/02 22:57:52
ある牧場主の言葉
家畜にはお墓はありません
人間のためにこの世に生まれ
人間のために生き
人間のために死んでいく
死ねば肉になります
だから家畜には
お墓はありません
私の人生に大きな影響を与えた、一頭の競走馬がいました。
彼の名は、”ライスシャワー”といいました。
競馬をやらない人でも、一度くらいは彼の名を聞いた事があると思います。
彼の事を書かせてください。
平成7年、カミさんとまだ付き合っている頃でした。
私は、ウダツの上がらない生活をしていました。
狭く汚いアパートに暮らし、彼女を呼ぶ事もできませんでした。
その頃、私は競馬が好きで、良く中山競馬場や錦糸町のウィンズに出かけていました。
その頃は、騎手では、武豊騎手、競走馬では、オグリキャップ、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ナリタブライアン等、スターホースが続出し競馬はとてもブームだったように思います。
その中で、私は一頭の競走馬に注目していました。
そう、ライスシャワーです。
平成7年、天皇賞(春)ウダツの上がらない私は、1大決心のもと心意気の一点勝負に出ます。
大好きなライスシャワーと、その年絶対ブレークすると信じていたステージチャンプの馬番連勝。
私はその馬券が来れば、引越しをして彼女を呼ぼうと思っていたのです。
彼女にその話をすると、怒られると思いきや大乗り気。
それならば自分も乗っかろうと、2人で一点勝負となったのでした。
天皇賞(春)というレースは3200mで行われます。
全力疾走の馬にとって、これは人間でいうとフルマラソンの距離らしいです。
ライスシャワーは450キロそこそこの競走馬としては小さな馬でした。
人間の陸上競技でもそうですが、短距離走は筋肉隆々の大きな選手が強いですよね。
逆にマラソン選手は皆小柄です。
ライスシャワーは長距離が得意な馬、典型的なステイヤーでした。
レース当日、彼の身体は引き締まり黒鹿毛の馬体は鬼気迫るほどの毛艶で輝いていました。
きっと、飯塚調教師のハードな調教の賜物だったのでしょう。
いよいよレーススタート。
真ん中から少し上位の高位置ににつけた彼は、最後の3コーナーを過ぎると早くもスパート。
おいおい!早いよと思う私。
そして4コーナー途中で先頭にたってしまいました。
終わったか?と思う私。
ところが直線に向かうライスは、脚力は衰えず後続を引き離す。
追ってくる馬は一頭。
私が2番手に上げたステージチャンプ!。
直線では2頭のデットヒートとなる。
早めにスパートをかけたライスに猛然と襲い掛かるチャンプ。
ゴール版前では、2頭の鼻先がピタリと合う。
写真判定・・・。
私は、当たり馬券を握りしめ、それでもなんとかライスに勝たせてあげたいと念じる。
判定結果・・・勝った。
ライスはチャンプを鼻差退け、2度目の天皇賞の楯を手にしたのです。
そして、はれて私は引越しをして、彼女を呼ぶ事が出来たのです。
私がいくらその馬券を購入したか、倍率はいくらだったのかは、ひかえさせていただきます。
その後、私は彼女と結婚する事ができたのです。
正に、馬が合ったのですね。
しかもその馬の名前がライスシャワー・・・。
めでたしめでたし・・・・?。
ところが、ハッピーエンドでは終わらないのです。
それは・・・
皆さんは、競走馬の立場ってご存知でしょうか?
家畜・・・だそうです。
つづく・・・。
幾ら勝ったのかはナイショよ。
まぁ、軽く都内のアパートを契約出来るくらい勝ちました。
続きもお楽しみに~。
本当にね、この時は良くできた話だなぁって思ったものです。
でも、話は出来すぎだったんですね・・・。
その後すぐの彼の運命も、そして十数年後に訪れる私たちの運命も・・・
悲運なものになってしまいました。
彼の事をここに来てくれる皆さんにも、知ってもらいたいと思い書かせていただいております。
続きもどうぞご覧くださいね~。
人ってどんなに罪深いんだろうって思います。
生命を維持するために他の命を犠牲にする事は仕方の無い事ですけど
犠牲にする命を自ら生み出し、生み出したその手で命を絶つ。
それが家畜なんですね。。。
競走馬もそんな家畜と同じ扱いだそうです。
競走馬として能力が低い馬は、他の家畜と同じ様に扱われます。
そう考えると、競走馬として成功し、繁殖馬となる馬は極少数であり幸せな存在なのでしょう。
ご存知と思いますが、ライスの運命はそのどちらでもありませんでした。
続編で彼の悲しい人生(馬生)を書きたいと思います。
是非ご覧くださいね。
そう、競馬を全く知らない方でも、あの時は話題になってました。
馬と言う動物は人と関わりが深いです。
とっても優しい目をしているんですよ。
だからみんな馬と言う動物に惹かれるのでしょうね。
とても続きが気になります・・・@
(いくら勝ったのかも…笑^^v)
教会でのオシャレな式につきものの
ライスシャワー・・・・って、これはもう
奇跡という他なさそうですね^^
ああ、それなのに・・・・
というわけなのね^^;
奥様もきっと賭けていたんですね。
招き猫さんとの未来をライスシャワーに。
人生では辛い運命も巡ってきますが、
時々、忘れ難い嬉しい運命の瞬間もやってきます。
神様が気まぐれに天から福を、パラパラ蒔いてくれて
いるかのようです。
人の中で産まれた生きていく動物たちには、宿命がついて廻ります。
馬はとても繊細な心を持っているとか。
飼い犬や猫も事故などに遭えば、法的には器物破損なんですね。
人と同じというわけにはいかないことは分かりますが、
影響力や励ましはひと以上の時もあり
寂しいというか、一抹の罪悪感を感じます。
ライスシャワーの・・・。話題になったのを覚えています。
この時は本当に嬉しかったですよ。
信じていたと言うよりも、この時彼が勝てたのは奇跡に近かったんです。
それはこの後のお話で書かせていただきますね~。
>まさか捻挫しちゃったとか?
えっと、それもこの後の続きで・・・(涙)
勝てて本当に良かったです。
馬券をいくら購入したか、倍率はいくらだったか
とても気になります(笑)
まさか捻挫しちゃったとか?違いますよね?絶対に!!
ありますよ~!
故郷のユートピア牧場と、育成を行った千葉の牧場の2箇所です。
それと思い出の場所である京都競馬場に、石碑が建てられています。
そう言う意味では幸せな競走馬ですねぇ・・・。
はじめまして!
この後涙の続きがあります。
どうぞお楽しみに~。
ライスシャワーにはお墓ないんですか( ̄△ ̄;)?
拝見しました。。。 良かったですが。
最後のこの落ちとは・・・ トホホ。