米軍偵察機vs中国軍戦闘機、台湾領空で一触即発
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- 2011/07/27 18:26:21
【ワシントン=佐々木類】米軍偵察機と中国軍戦闘機が台湾海峡上空で先月下旬、「領空侵犯」をめぐり一触即発だったことが25日、明らかになった。米中両軍の航空機が直接にらみ合う形となったのは、2001年4月に、中国南方の南シナ海上で米軍電子偵察機EP3が中国軍機と接触し、中国・海南島に緊急着陸した事件以来。
フランス通信(AFP)が台湾メディアの報道として伝えたところによると、事件は6月29日に起きた。それによると、中国本土を中国領空外の国際空域から偵察中の米空軍高高度偵察機U2に、中国軍のスホイ27が追撃。「台湾領空」を大きく侵犯したため、台湾空軍のF16戦闘機2機が迎撃し、スホイ27は撤退した。
この“事件”についてマレン米統合参謀本部議長は25日の記者会見で、「(米軍偵察機の活動は)国際空域の重要な任務だ」と繰り返し強調。また、今月中旬に訪中して中国人民解放軍の陳炳徳総参謀長と会談した際、米軍の哨戒活動を丁寧に説明したと述べた。
マレン議長は「中国側は米軍の通常の哨戒活動を快く思っていないが、われわれも公海・国際空域の航行や航空の自由が侵されることを座視しない」と述べた。その上で、「米軍の偵察飛行は重要だ。注意深く行っており、01年のような事態は避けなければいけない」と強調した。
米軍の偵察をめぐって中国側は、「中国軍は米軍に挑戦するほどの能力を持っていない。偵察は無用かつ不当だ」(陳総参謀長)と反発している。
マレン議長は、昨年1月に米政府が台湾への武器売却を決定して以降、ぎくしゃくしていた米中両国の関係改善のため、今月中旬に訪中した。陳総参謀長と会談するなどして、制服組トップ同士の交流再開に乗り出していたが、実際には関係改善に向けた会談の直前に、一触即発の事態が起きていた。
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