リビア反体制派の最高司令官、殺害される
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- 2011/07/29 18:26:46
【7月29日 AFP】リビア反体制派の国民評議会(Transitional National Council、TNC)は28日、かつては政権側の上級高官だったが反体制側に寝返り、反体制派の最高司令官を務めていたアブデル・ファター・ユネス(Abdel Fatah Younes)氏が殺害されたと発表した。
同評議会のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長によると、ユネス氏は前線から戦況についての質問を受け、それに答えるためにベンガジ(Benghazi)へ向かっていたところを武装集団に射殺された。
同議長は、「暗殺者はとらえられた」と述べた。ユネス氏を悼み、3日間の喪に服するという。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2816842/7574342
リビア国民評議会は2011年2月11日に反カダフィー政権によって作られた暫定政権です。
リビア第2の都市ベンガジで、ムスタファ・モハメド・アブドルジャリルが結成を発表し、
3月5日には「リビアにおける唯一の正統な代表政府」であることを宣言していました。
リビアは先に反政府デモが勃発したチュニジアやエジプトとは違い、豊富な石油や
天然ガス資源を背景とした富がある程度は国民に配分されていたとされていましたが、
1969年の政権掌握以来強権的な統治を行ない、また反政府活動に対する厳しい監視や
弾圧が行われていて、カダフィに対する不満は鬱積していたと言われています。
その為国民だけでなく、権力の後ろ盾となってきた軍や部族の間にも、カダフィに対する
不満があったとされ、法相を務めていたムスタファ・モハメド・アブドルジャリル氏を中心に、
反カダフィー暫定政権が作られた背景があるようです。