韓国、早期警戒管制機「ピースアイ」が基地到着
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- 2011/08/02 20:53:14
米国依存から脱却、韓国の力で北朝鮮偵察
【崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者】 「空の戦闘指揮所」と呼ばれる早期警戒管制機(E737 AEW&C)1号機が1日、ついに韓国へやって来た。平和を守る目を意味する「ピースアイ」という別名を持つこの管制機を、韓国軍が休戦ライン付近で飛行させれば、北朝鮮上空や海上の監視能力を画期的に引き上げることになると評価されている。これまで米軍の早期警戒管制機(AWACS)に依存していた対北朝鮮の上空偵察が、米国から独立して行われることになるのだ。
■北朝鮮上空全域を全方位監視
ピースアイの心臓部は「MESAレーダー」だ。既存のAWACSに搭載されている円盤状のレーダーが12秒に1度のペースで機械的に回転し、ビームの送受信を行っているのとは異なり、ピースアイの胴体上部に搭載された棒状のMESAレーダーは、望んだ方向や距離へ自由にビームを放射できる最新の電子式レーダーだ。360度全方位を監視でき、空中にある約1000の飛行物体を同時に探知できる。360度監視を行う際は距離370キロまで、一方向にレーダーの出力を集中するときは最大500キロ、敵の航空機などの動きを捉えることができる。休戦ライン付近を飛行すれば、北朝鮮上空のほとんどを一目で見渡すことができるわけだ。レーダーのモードを切り替えれば、敵の軍艦など海上の目標も探知できる。
さらにMESAレーダーは、悪天候下でも任務遂行が可能だ。地上3万フィート(約9000メートル)から4万フィート(約1万2000メートル)の上空を飛行するため、韓国軍の地上レーダーを避け山岳地帯に沿って侵入するAN2輸送機など低空飛行する北朝鮮の機体も、全て捉えることができる。
こうして得られた情報は、リアルタイムで地上にある軍の戦闘指揮部やF15K・KF16戦闘機、イージス艦などに伝送される。敵のミサイル攻撃を受けた場合、これを妨害するためのチャフ(電波かく乱用のアルミニウム片)・フレア(赤外線かく乱用の発熱体)を散布する装置も8基あり、また胴体の6カ所にミサイル警報装置(MAWS)を装備している。
■2012年までに計4機を配備
ピースアイは、8時間ずつ3交代で運営され、空中給油を受けた場合は20時間まで飛行できる。韓国空軍は、2012年末までに2兆ウォン(現在のレートで約1479億円)を投入し、1日に到着したピースアイ1号機を含め、E737 AEW&Cを合計4機配備する予定だ。1号機は米国シアトルのボーイング社で作られ、太平洋を越えて1日午後に慶尚南道金海の空軍基地に到着した。今後、韓国空軍の最終試験を経て、今年9月に実戦配備される。2号機から4号機までは、韓国の航空産業発展のため、現在慶尚南道泗川市にある韓国航空宇宙産業(KAI)で組み立て中だ。韓国軍の関係者は「これまで北朝鮮上空の偵察は、米軍のAWACSなどに依存しており、それすらも韓国には常駐しておらず限界があった。ピースアイ4機が全て配備されれば、韓国の能力だけで韓半島(朝鮮半島)上空を24時間監視できることになる」と語った。
http://www.chosunonline.com/news/20110802000026
ボーイング737AE&Cはボーイング737-700の機体背部に、板状のレーダー・アンテナを
装備した空中早期警戒管制機で、長時間滞空しながら敵性航空機の監視・追跡と味方航空機の
指揮・管制を行う事で航空戦を優位に進める空中支援機です。
製造はアメリカのボーイングで、自衛隊が使用しているE-767より一回り小さい機体で、
オーストラリア、トルコ、韓国に販売されています。