めずらしくツレがいる。久々のクライミング。
ロープを支えるペアが必要だからなのだが。
ふもとの駐車場から４時間くらいかけて目的地まで登り、時間が経つ
のを忘れて岩壁の登りくだりを繰り返す。

帰る時間も気にせず夢中になってしまって気がついたら17時ちょと前。
ヤバイ、下山するのに３時間以上かかるはず。途中で日没は確実。
真っ暗闇の中無理して下山するか、寒い山中で野宿するか二者択一。
ここで友人「そうだ！途中の峰に山小屋があった！」

即決。

今夜はその山小屋で宿をとることに決定。
のんびりバカ話をしながら１時間ほど歩くと前方に夕陽に照らされた山
小屋が見える。
「ああ、あったあった。」友人の機転に感謝、一安心。「でかした。」
が、近づくと何か違う。
まず、ひと気がない。それよりなにより入口がない。
「まさかまさかまさか」いやな想像をかき消すようにぐるっと一回り。
建物の周りを270°くらい回ったところでガラス扉を守るように横方向に
打ち付けられた木板に貼り紙を発見する。
『今シーズンはお休みします』
ガーーーン。
「決定ですな。。。」「ああ、決定だ。」
あたりはすでに暗くなりかけている。さすがにもう移動できないのでこの
小屋の陰ででも寝るしかなくなってしまった。幸い猛烈に寒いわけでは
なくそれぞれツェルト(非常用の風よけシート)は持っていたので抱き合っ
て「ダイジョブカー、ネルナー」とまでやらなくても済んだ。
さすがにすぐは眠れないのでそれぞれ持参の非常食を食べてバカ話
の続きをする。
そこへ物音。「ク、クマ？」「・・・」。
草むらの中から出てきたのは野生の鹿。腹が減っていたのかカロリー
メイトを平らげて去って行った。
たぶん９時前にはぐーぐー。一方の友人は物音にビビりろくすっぽ眠れ
なかったようだ。意外とか細い。
翌日、昨日の岩盤でちょっと遊んでから下山。途中、疲労から来る体中
の痛みでくじけそうになったがこうして無事降りてこられました。

ダメね、ちゃんと考えて行動しないと。　笑