Nicotto Town



伝えたい言葉9 前編

 「今日はどこに行こうか?」

 朝。顔を合わせて早々の会長の言葉だった。このところ毎日である。
 さすがに仕事を始めて一週間くらいは会長付きとはいえ特に会長の用事をすることはなく、いろんな先輩から仕事を教わりながら一日を過ごしていた。だが一週間を過ぎたころくらいだろうか。こうやって毎日のようにどこかに行こうと誘ってくるのだ。
 (これが龍野さんの言ってた『お守』なんだわ。―――確かに大変かも…。)
 そう思う綾奈であった。

 「―――今日は10時から会議、12時からTH物産社長との会食、3時からは社長との話し合いにご出席の予定になっておりますが。」
 黒川が黒い皮でできた手帳を広げて滔々と読み上げる。因みに素材はラムスキンである。
 「黒川君。君には聞いていないぞ。私は澤井君に聞いているんだ。それに、会議や会食なんて孝也に任せておけばいいじゃないか。どうせ3時には話し合いをするんだろ?その時に聞けば全く問題ない。」
 聞けばこの会長は、息子であり社長でもある孝也が大学を出るなり仕事を全部孝也に押し付けて夫人と世界旅行に行ったという強者だ。
 綾奈にとってかなり怖い上司に位置する黒川の小言など、毅にとっては痛くもかゆくもないようだ。

 「で、澤井君。君はどこに行きたい?できれば3時には帰ってこなければいけないからそんなに遠くには行けないがね。」
 毅はにっこりと微笑み、黒川の方は眼鏡の奥から厳しい視線が送られてくる。
 「あ、あの…。それでしたら私はここで仕事がさせていただきたいと思います。」
 「そんなのつまらないじゃないか。窓の外を見てごらん。外はと~ってもいい天気。こんな日にビルにこもって仕事をしているのはバカみたいじゃないか。」
 「…会長。恐れ入りますがその言葉はこんな日にビルにこもって仕事をしている他の社員に対する冒涜ではありませんか?」
 全くその通りである。

 「いや、それはそうなのだが…。」
 「それにTH物産との会食の時間は、社長は別件が入ってらっしゃいます。ですので代わりに出ていただくことはできません。」
 黒川の手帳には会長・社長両方の予定が書きこまれているのだ。会長の毅と言えでも黒川に言われるとぐうの音も出ないのではないか?と思う綾奈であった。


 「では、宜しいですね?―――会長、私はこの後社長に同行して如月の方へ伺って参ります。その間はこの澤井君に会長の用事を申し付け下さいませ。」
 それでは、と一礼をして黒川はスタスタと会長室を後にする。綾奈もやや遅れながらも毅に挨拶をしてその場を離れた。

#日記広場:自作小説

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2011/08/07 20:06
ひゆきさん

いつもありがとうございますw

会長は毎日遊びに行きたがるんですよ。
何と言っても仕事嫌いな人なのでw

綾奈も大変な人付になってしまったものだと
自分で書きつつ、同情してしまいます^^

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2011/08/07 20:00
月黒さん

文章をついつい詰め込みすぎてしまいます。

ありがとうございます。
次回のUPの時には気を付けるようにします。

いつも的確なご指摘ありがとうですw
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2011/08/07 19:59
ポケ族@ピーチ☆さん

ありがとうございます。
後編もなるべく早くお届けしますね。

面白いといっていただけて嬉しいですw
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2011/08/07 16:43
あの...

サークルからです。

どこのPRなどをクリックするんでしょうか?
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2011/08/06 22:54
会長と毎日どこへ行ってるんですか?
ホントに自由な会長ですね~。
黒川さんに釘を刺されても
きっと出かけてしまうんでしょうね。
なんか・・・
綾奈さん、がんばれw
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2011/08/06 21:04
文がつめすぎて、読んでる側から見たらとても目が痛いです(文字がつめすぎると目がチカチカすること)

空欄や一行開けるなどをしましょう。
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2011/08/06 09:43
ww面白い!!!

続き読みたい☆




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