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つぶやきrnao


グルメも命がけだわ その2


物理学的半減期とは、崩壊を起こして半分以上が安定的な原子になるまでの期間のことです。 

放射性ヨウ素131は不安定な核種で、自らを壊して安定した状態になりたがります。 
この自らを「壊す」ときに、β線を放出するのでβ崩壊と言います。 

放射性ヨウ素131はβ線をエネルギー放出してキセノン131と核種に変化します。 
このとき、すべてのキセノン131が安定しているというものではなく、中には不安定なものも混じっているので、キセノン131は、ヨウ素131の時のβ崩壊と同じように、γ線を1個放出して(γ崩壊を起こす)やっとすべてが安定した状態になります。 

この状態になれば、体内に放射性ヨウ素131の“残骸”であるキセノン131が残っていても、すでに放射線を出さなくなっていて(安定)DNAを傷つけたりしませんから、無害化します。 

仮に、原子炉のすぐそばに居て、できたてホヤホヤの放射性ヨウ素131を呼吸によって1000個肺の中に取り込んでしまった場合、すぐに甲状腺目指して集まっていきます。 

甲状腺でβ崩壊が起こり、続けて、それによってできたキセノン131のうちの、わずかですが、不安定なものが、さらにγ崩壊して、二度、甲状腺の中に固着した周囲の細胞が被曝します。 

8日間、この崩壊が続くと放射性ヨウ素131の数は500個に減ります。 
これは1秒間に100万個の放射性ヨウ素131のうち1個が崩壊し続けていくという結果です。 

残りの500個が、また崩壊してキセノン131に変換して… ということを繰り返して、16日後にはさらにその半分の250個に減り、結局、80日程度経つとヨウ素131はキセノン131に変わって放射性原子の数も放射線の量もほぼゼロになる、ということになります。 

以上は、物理学的半減期のことを言っています。 

物理学的半減期とは、放射性原子が崩壊を繰り返して、その数(まだ崩壊を起こしていない不安定な状態の放射性原子の)数が半分になるまでの期間のことです。 

一方、この場合の生物学的半減期とは、体外に放射性原子の半分の数が排出されるまでの期間のことです。 
上の表にあるように、ヨウ素131の生物学的半減期は80日です。 

このとき、元は放射性ヨウ素131だったものが、キセノン131に変わって、最初のうちの半分が体内に残っています。 
しかし、すでに80日経ってしまっていたら、甲状腺に集められた放射性ヨウ素131は、すべて安定して人体に悪さをしないキセノン131に変わってしまっていますから、体外に半分が残っていても意味がなくなっています。 

当然のことながら、ホールボディーカウンターで計測しても、放射性ヨウ素は検出されません。 
検出はされないとはいっても、それまで、しっかりと甲状腺のDNAは傷つけられたのです。 

生物学的半減期が短いからといって、まったく喜ぶことはできません。 
ヨウ素131のように、物理学的半減期が生物学的半減期より短い場合は、たっぷり体内で被曝してしまった後に、体外に排出されることになりますので、「後の祭り」です。 





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