読書感想文【銀河鉄道の夜】
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/08/14 21:42:35
宮沢賢治の有名な童話。
ただし、読んだのは、ますむら・ひろしによる登場人物がネコになっているマンガ版。
作者のあとがきからの受け売りだが、主人公のジョバンニが銀河鉄道に乗る時期は、ちょうどお盆の頃。
(物語の中で出てくる「三角標」は、ヴェガ、アルタイル、デネブの”夏の大三角形”の事で、ジョバンニが銀河鉄道に乗る時刻は作中から20時頃。ヴェガがその時刻、天頂付近に来るのは、お盆の頃、ということらしい)
だから銀河鉄道には生者も死者も乗っているのだ。
今年は、地震により多くの人がこの銀河鉄道に乗る事になってしまった。(奇しくも宮沢賢治は岩手の人)
また、個人的にも(地震とは関係ないが)今年、祖母が亡くなり、銀河鉄道の客となった。
ところで、このマンガ版では、2つの「銀河鉄道の夜」が収録されている。
一つは、普通に手にすることができる版で、もうひとつは”初期型”と呼ばれる”ブルカニロ博士”という人物が出てくる版である。
主人公ジョバンニは、カンパネルラと「ほんとうの幸い」について話し合うが、結局、それが何なのかは分からない。
が、探し続ける事を誓う。
この後、カンパネルラは姿を消してしまうが、”初期型”では、ブルカニロ博士という人物が登場し、
「あらゆるひとのいちばんの幸福を探し、みんなと一緒に早くそこに行くがいい。
そこでおまえは本当にカンパネルラといつまでも一緒に行けるのだ」
とジョバンニに言う。
宮沢賢治の考えをブルカニロ博士という人物に代弁させているかのようだ。
賢治の死生観が窺いしれるが、その考え方は、多くの人とそんなにかけ離れているものではないだろう。
人の生死について考えるには、いい題材になる作品だと思う。
ジョバンニ役をやったものです。
Amazon で調べてみたら、いまだに評価が高いですね。
「マンガで読む~」は日本文芸社のシリーズでしょうか?
「マンガで読破」シリーズより丁寧に描かれているような印象を
受けますが、「マンガで読破」シリーズが逆に原作が気になる
ような、ある意味、”危険”なものだったので、及び腰になってます。
『マンガで読む~』 は自分のために、全巻揃えたくてたまりません。
現在資金の準備中です。
ますむらひろしさんの『銀河鉄道~』というと、田中真弓さんがジョバンニ役だったものでしょうか?
LD(DVDではありません)を買った記憶があります。
今、家のどこにあるんだろう?探してみよう。
多い気がします。
「やらされる」のと「自分でやろう」と思うのでは、見つける
ものも違ってくるでしょうね。
子供の頃読んだ本も 大人になってから読むととらえ方が違ってきたりしますよね。
素敵な本との出会いがあると幸せです^^
マンガ版なら、このますむら・ひろしのマンガをおすすめします。
以前、原作と比較した事があるのですが、細かい所まで、描かれていますよ。
古いので、古本屋にあるかもしれません。
たしか、ますむら・ひろし版はアニメにもなっていたような。
そちらを観るのもいいかもしれません。
>カトリーヌさん
「まんがで読破」シリーズがまさにそういうコンセプトで出版されてますね。
安くて、あっという間に読めるので、いくつか持ってますが、かなり駆け足な
ストーリー展開なので、逆に原作の方が気になってしまい、ある意味、危険です。
ちなみに、ますむら・ひろしがマンガ化した宮沢賢治の作品は、「銀河鉄道の夜」
以外にもありますので、興味があればどうぞ。
読んでないわ~。
いま読み返せば、子供時代とは違う、
新しい発見があるかもしれませんね。
大人になってからゆっくりと読み機会がなかったので、今度挑戦してみようかな?
幼いころ999とごちゃごちゃになりそうでした(恥)