読書感想文【エア新書】
- カテゴリ:日記
- 2011/08/18 11:19:01
「エア新書
発想力と企画力が身につく”爆笑脳トレ”」
石黒謙吾 学研新書
昔から、新書は雑学のネタ元として重宝してきた。
が、少し前、新書ブームといったものが起きて、猫も杓子も新書を出版、
という感じになってしまった。
(幸い今は、それほどでもなくなってきた感じがするが)
タレント本まで、新書のフリをして出てくるのは、個人的には「紛らわしい」
としか思わなかったが、ブームの証拠だったと取るべきだったのか。
以前、読んだ新聞記事の中で、新書が息の長い本を目指すより、その時、
旬なものを扱うような雑誌化している、というのを目にした事がある。
たしかにその通り。タイトルも目を引くようなタイトルが多くなった。
そいった新書も読んだが、「タイトル負け」している感じがするので、最近は、
その手のものは避けるようになってしまった。
ところで、この本のタイトルにもなっている「エア新書」というのは「勝手に
新書を作ってしまおう」というもの。
「エア新書」http://airbook.jp/というサイトもある。
ルールは、以下のものを揃えること。
「タイトル」
「サブタイトル」(ただし省略可)
「著者名」
「帯の文句」
「見出し」(5本)
ただし、根底にダシにする人(または物)への「愛」がなければならない。
というのも風刺マンガでも、相手を貶めようとする意図があると、読んでも
後味が悪いものが多いからだ。
「批判」や「風刺」「皮肉」は、とりあえず置いておいて、笑えるネタを作って
しまおう、ということだ。
本書のサブタイトルに「発想力と企画力が見につく”爆笑脳トレ”」とあるのは
「仕事にも役立ちますよ」というフリをしているだけとしか思えない。
著者は「批判」「風刺」などは考えていない、と言っているが、その内容を見ると、
やはりどこかに「批判」「風刺」は見え隠れする。
「架空の新書で遊ぶ」という本を新書で出す、ということ自体が風刺になっている。
ただ「笑える」ということが前面に出ているため、オブラートに包まれていて、
時には風刺の「味」さえほとんど感じられない。
この本に収録されているエア新書は、100冊。
あまりに多くのエア新書を挙げたので、巻末についている他の新書が紹介
されているページには、わざわざ「この新書のラインナップは本物です」という
注意書きがあるほど。
読み終わってみると、自分もマネしたくなる。
近年の新書のベストセラーのタイトルと、最近、いろいろなものに「力」がつけられて
いるのを考慮して、こんなものを考えてみた。
「力の品格の壁 ~99.9%は強引な造語~」
権威があるのか、ないのかよく分からないですね。
ところで、「加藤な力」なら”チョットだけ”欲しい、と
思ってしまいました。
が、やはり「校長な力」にはかなわないのでしょうね。
「力にも様々な品格がある、下品な力、高尚な力、優美な力、荒々しい力、
これら力には、越えられない”壁”があるのだ。
下等な力はいかに使おうとも、高尚な力には昇華できない。
ならば、最初から高尚な力を見につけようではないか、・・・云々」、
とか言っちゃたりして(笑)。
エア書評でした。(汗)