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インド 活動家逮捕で抗議拡大


 【ニューデリー=田北真樹子】インドで蔓延(まんえん)する汚職や腐敗問題をめぐり、シン政権が2004年の政権発足以来といわれる政治危機に直面している。きっかけは、政府が今国会に提出した汚職防止・対策法案の厳格化を要求し、無期限のハンガーストライキに踏み切ろうとした活動家アンナ・ハザレ氏(73)の逮捕。同氏は近く釈放される可能性が高いが、突然の逮捕劇は国民の政府への不満を怒りに変え、抗議デモが全土に拡大しつつある。

 「(国会議員でもないのに)自分の法案を制定させようとするハザレ氏のやり方は完全に誤っている」

 シン首相は17日の国会でこう述べ、許可を得ずに集会を開こうとしたとしてハザレ氏を逮捕した警察当局を擁護。一方の野党は政権を激しく批判し紛糾した。

 ハザレ氏は4月にハンストを実施したが、その際は政府が、閣僚だけでなく活動家らもメンバーとする汚職防止・対策法案作成委員会の設置など同氏の要求を受け入れたため、5日間でハンストを打ち切った。しかしハザレ氏は、政府が今月4日に国会に提出した法案で、汚職監視機関の捜査対象から首相や最高裁判事を除外したことなどに強く反発し、16日からの無期限ハンストを宣言していた。

 無期限ハンストで高齢のハザレ氏の健康に問題が生じれば、激しい政府非難が巻き起こるのは必至。与党はあの手この手でハンスト阻止を試みたが失敗し、当局は逮捕に踏み切った。ハザレ氏は釈放されたとしても、ハンストを決行する意向で、問題の長期化は避けられない状況だ。

 シン政権では昨年秋から、携帯電話用の周波数割り当てなどをめぐり、閣僚や与党政治家が関与した汚職事件が相次いで発覚。シン首相の汚職問題への対応も批判の対象となり、政権は世論の支持を失っている。

 ハザレ氏をめぐっては、中間層を中心に幅広い支持があるものの、立法府をないがしろにして自分たちの法案を押しつける手法に眉をひそめる人も多い。ただ、手法がどうであれ、ハザレ氏が掲げる汚職・腐敗撲滅という目標は、大半の国民が支持しており、同氏の逮捕を機に、抗議デモはニューデリーだけでなく、ムンバイやバンガロールなどにも広がっている。

 17日、ニューデリーの刑務所前でハザレ氏の釈放を待っていた大学生のスナイナさん(20)は「汚職を何とかしてほしい。有力者の子息が賄賂で大学に入学したせいで、私は入学できなかった」と語った。

 17日のインド紙ヒンズーの社説は、「政権が汚職に対する国民の怒りを認識しなければ、次期総選挙前にも政治的なツケを払うことになるかもしれない」と警告している。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110818-00000086-san-int


 

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