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ベクレルとシーベルト 4

欧州放射線リスク委員会 (ECRR) の2010年の勧告では、グレイに ICRP とは違う重みを掛けた、生物学的等価線量(シーベルト)を使う。 外部被曝については、「24時間以内に2回以上被曝したら細胞の修復が妨害される」という可能性を考慮して10倍から50倍の重みを掛ける。 内部被曝についても、放射性物質の種類によって、1倍から2000倍の重みを掛ける。 その重みを決める際に、 「原子核が崩壊して別の放射性物質に変わり、それがまた原子核崩壊するものがある」とか、 「原子に放射線が当たって原子核の周りの電子が1個出ていった後、原子核の周りにある他の電子が移動することによって、光子(X線)や電子が飛び出すことがある(オージェ効果:原子番号の小さい原子で起こりやすい)」とか、 「原子に光子が当たると、原子核の周りにある電子が飛び出すことがある(光電効果:原子番号の大きい原子で起こりやすい)」とか、 「微粒子状の放射性物質が体の中で溶けずに塊のまま残ることがある」 などの性質を考慮している。 
さらに、放射性物質の生化学的な性質によっても、2倍から1000倍の重みを掛ける。 その重みを決める際に、 「陽イオンの状態の放射性物質が組織の表面に吸着して濃くなることがある」とか、 「放射性物質の種類によっては、DNAに結合しやすかったり、酵素や補酵素の構成要素になったり、脂肪に溶けやすかったりする」とか、 「体内に吸収された後、原子核崩壊して別の放射性物質に変わったために排泄されにくくなることがある」 などの性質を考慮している。 
グレイの値にこういった重みを掛けた量が、生物学的等価線量(シーベルト)になる。 ICRP の等価線量よりたくさんの重みが掛けられているから、生物学的等価線量は ICRP の等価線量より大きい値になることが多い。
シーベルトという単位が使われる量はもう一つあって、それは実効線量と呼ばれる。癌や遺伝病をもたらすリスクは、生物種によってに対しても、放射線を受ける体の臓器の種類によっても違う。この違いを加味した放射線の量(ジュール/kg)が実効線量(シーベルト)だ。 これは、放射性物質の生物濃縮(食物連鎖で食べられた生き物の中の放射性物質が、食べた生き物の体から排泄されずに濃くなっていくこと)や内部被曝が問題になってくれば、必要になる数値だ。 
実効線量は、人体を×1として、生物種別や臓器別に ICRP が決めた重みを等価線量に掛けた数値をとる。 
この重みについては ECRR も同じ値を使うけれども、等価線量の代わりに生物学的等価線量に対して重みを掛けて、それを生物学的実効線量(シーベルト)と呼ぶ。

外部被曝の実効線量(シーベルト)は、人体全体については等価線量と同じだ。医療放射線などで特定の組織に被曝する場合は、等価線量に、組織の種類によって違う重みを掛けて得られる数値が実効線量となる。

内部被曝の実効線量(シーベルト)は、食事や呼吸で体に入る放射能の量(ベクレル)から計算できる。まず、物質の中の放射能の濃さ(ベクレル/kg、ベクレル/Lなど)を、その物質の摂取量に掛ければ、摂取した放射能の量(ベクレル)がわかる。この量は「1秒間に何個の放射線を体内から浴びることになるか」を表している。放射性物質の種類がわかれば、その崩壊の種類と半減期を『理科年表』などで調べて、その物質が体内にとどまっている間に受ける放射線の総量が計算できる。放射性物質の化学的状態とその性質がわかれば、その物質が排泄されるのか蓄積されるのかがわかる。

実はすでにいろんな放射性物質について、国際放射線防護委員会 (ICRP) や欧州放射線リスク委員会 (ECRR) が、それぞれの考えに基づいて計算し、その計算を元に、ベクレルの値がわかっているときに体全体の実効線量を簡単に計算するための「実効線量換算係数(シーベルト/ベクレル)」を公表している。実効線量換算係数は、放射性物質の種類・放射性物質の化学的形態(化合物かどうか)・摂取する人の年齢・空気と一緒に吸い込むか・食べたり飲んだりするかといった、条件によって違ってくる。 ECRR の使う生物学的実効線量は、 ICRP の使う実効線量よりも多くの重みを掛けた値になるから、換算係数も大きくなり、同じ量のベクレルでも、ECRR の方が被曝量のシーベルトが大きい値になる。


詳細はここから、

http://guskant.github.com/bgs/bgs.html

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2011/08/23 06:16
ぼくは remとかrad とか Ciとかいう単位も使っていたよ。
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2011/08/23 05:51
ニュースの解説員が、言葉の意味を理解せずに使っているので・・・聞いてるほうは意味がわからない・・・



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