Nicotto Town


おうむたんの毒舌日記とぼうぼうのぼやき


短編?? 「闇の家」その6

「おとうさん!おかあさん!」
私は必死で叫んだ。心でなく、本当に。そして暴れた。光の矢が突き刺さったがここから逃げ出したかった。
村人は、歩くのをやめて、振り返ると太陽に背を向け、暴れ叫ぶ私を驚くでもなく見るではないか。立ち止まってる村人の影がぐにゃぐにゃ変形して、わめいてるというのに、なぜ!?
「なぜかって?君は僕が影をやめたから出来たんだもの」
影をやめた?こいつの変わりが私?何を言っているのか理解できない。
「実体のない永遠が、僕には耐えられなくなったのさ」
「君がおとうさんとは、以前いっしょに闇の家にいた仲間さ」
私が理解しようがどうしようが、村人は構わず、しゃべり続けた。
「闇の家で家族ごっこしてるみたいだけど、実体のない影が本当の家族とまだ信じてるの?」
嫌なやつだ、嫌だ、嫌だ、やめてよっ!
「君は僕がいなくなったから出来た「もの」なんだよ」
「影は光と物体があって始めてできる。光と物体にみあったバランスで「できる」わけだ」
「実体もない、光と物体に依存するー永遠に。それが影の運命というなら、僕には耐えられなかった。君のいう「おかあさん」も影であることに耐えられなくなったんだ。そのせいで、僕ができたのさ」
ききたくないっていってるんだ!耳がないのか!怒りで影がますます変形し光が突き刺さったが、私はどうでもよかった。泣きたかった。大声で泣きわめきたかった。闇の中なら泣けるのに・・・。闇があれば泣けるのにっ!
「僕は病気で意識のなくなっていたこの村人に入りこんで「実体」を手に入れた。僕はようやく満足できたんだ・・・」
あんたなんか、大嫌いだっ!何かが自分の中で爆発した。

いきなり太陽を隠すように厚い雲が現れ、まわりがあっという間に暗くなると土砂降りの雨になったのだ。それは私の心だった。

「君には闇を作る力があるのか・・・」
村人は放心してつぶやいたが、私は闇になった瞬間、こいつから逃れ、闇の家に向かった。途中で気絶しそうになった私をおとうさんが抱えてくれたところで記憶が途切れた。

雨はそれから数日降り続け、雲が太陽をさえぎり続けたのだった

(つづく)

おうむたん談;今回、まったくいんこの出番がなくて不機嫌ビヨ(怒)

土日はお話お休みすると思いますm(_ _)m

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2011/08/27 18:16
超面白い!うえに読みやすい!最高!
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2011/08/27 08:40
おおおお!!影ちゃんパワー爆裂!!
凄い展開!!めまぐるしいぃぃぃ!!
影の存在とは?影の家族の本当の理由って・・・・?
来週の大展開が楽しみです!!
「おうむたんLOVE♪(LOVEを変換してデブ♪と言う)」セキセイインコのピコ弁♪
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2011/08/26 18:07
なんだか哲学的な感じになってきたようだ。ピヨ♫
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2011/08/26 17:59
主人公の影のお嬢ちゃん、パワーを持ってる!キャラが広がりましたね!
村人クンのキャラにも肉付けされた!ということは、お話、まだまだ展開していきますね!良かった!!!来週も楽しみです^^ リフレッシュして執筆に励むビヨwww (おうむたん、生きてたw やっぱこのタイミングで出てきたってことは、おうむたんも村人たん?)
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2011/08/26 15:18
そうなのか~・・。
村人の意外な事実!
女の子がんばれ!



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