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TAKEのつぶやき


☆「闇をかける猟銃」松本清張

この作品は世に言う「津山三十人殺し」のルポですが、この事件は松本清張以外にも何人かが著していたと思います。また、結構有名な事件であったはずなのですが、いつの間にか忘れ去られてしまったといっていいでしょう。

司法省刑事局報告には次のように書かれているそうです。

本件は昭和13年5月21日午前1時頃より同3時頃までの間に、岡山県津山市の北方約6里の苫田郡N村の一部落に発生した一青年の凶暴凄惨極まりなき犯行である。犯人はまず自己が幼少より慈育された祖母の首を大斧にて刎ね、ついで九連発猟銃及び日本刀その他の凶器を携え、異様の変装をなし、民家11戸を襲い、僅か1時間足らずの間に死者30名重軽傷3名を出したるのち、同日午前5時頃現場付近で猟銃自殺を遂げたもので、我が国のみならず、海外に於いても類例なき多数殺人事件である。

事件に至る経過を少し補足すると
山村という閉鎖された世界に生きていた犯人・都井睦雄は成績がよく周囲から将来を期待されていたが、結核のため村人から相手にされなくなる。そして村人の迫害はエスカレートし、やがて都井は怒りを爆発させ、その迫害への復讐を遂行するに至った。

この犯行時の都井の頭に二本の懐中電灯・胸にナショナルランプ・足にゲートルそして日本刀と猟銃を携えた姿はあまりにも有名であり、事件は知らなくてもその姿はよく知っているという人も多いと思います。これは横溝正史の「八つ墓村」の影響と思いますが、横溝正史は奇異なこの部分を取り上げたに過ぎません。

さらに、映画としては「丑三つの村」(西村望原作)があります(私はこれしか知らないのですが他にもあるかもしれません)。この作品はフィクションですが、事件の内容はほぼこれで分かると思います。また、主演の古尾谷雅人の虐殺を行うシーンは迫真の演技で最大の見せ場でしょう。

この事件は「八つ墓村」があまりにも有名になったため、真の姿がその影になってしまった典型ではないのでしょうか?
また、近年のいじめ問題に通じるところがあるような気がします。

追伸
私はこの村の近くを通ったことが何度かありましたが、長閑なところでとても事件があったような感じはしませんでした。そして、やっぱり近隣の若い人々は「津山事件」のことは知らないみたいで、「八つ墓村」の舞台になったことを強調していました。

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2011/09/19 02:27
図書館から借りてきました。(松本清張全集7)
感情的な小説というより、記録と分析を取り混ぜた作品ですね。
かえって色々考えさせられる作品でした。
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2011/09/07 20:59
そうっだったのですか。。。
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2011/09/07 20:12
自己が幼少より慈育された祖母の首を大斧にて刎ね。。。は『ぞぉッ』としますな><
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2011/09/07 08:48
事件の経緯はテレビの特集で見た事があります。
「八つ墓村」のヒントになった事件という事も知っています。
松本清張が書いている作品でしたら、読み応えがありそうですね。フムフム

今も昔も、成績だけではない別の何かで人間は評価されているんですね...、
少なくとも自分が閉鎖的な空間で生きていなかった事に感謝ですね。



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