北朝鮮:シャーマン米国務次官 対話に応じない方針
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- 2011/09/08 19:48:35
【ワシントン白戸圭一】オバマ米大統領から国務省ナンバー3の国務次官(政治担当)に指名されたウェンディ・シャーマン氏の指名公聴会が7日、米上院外交委員会で開かれた。同氏は北朝鮮の核開発を巡る米朝間の協議について「北朝鮮は05年の6カ国協議共同声明を順守する姿勢を見せなければならず、それまでは協議を行う意味がない」と述べ、北朝鮮がウラン濃縮活動の停止などに応じない限り、対話に応じない方針を明言した。
シャーマン氏はクリントン政権時代に「北朝鮮政策調整官」として北朝鮮との交渉を統括し、00年のオルブライト国務長官(当時)の訪朝を実現させた人物。国務次官への起用に対して「北朝鮮に融和的過ぎる」との指摘もあったが、北朝鮮が核廃棄の約束を破り続けてきた過去10年の経緯を踏まえ、公聴会では強硬姿勢を鮮明にした。
シャーマン氏は公聴会で「北朝鮮との共同作業は不満がたまるし、極めて困難。彼らはうまく逃げ回り、約束を守らず、しばしば敵対的で、国民を抑圧している」と北朝鮮指導部を強い調子で非難した。そのうえで同氏は「アメだけでなくムチの重要性を確信している」と北朝鮮に対する圧力重視の考えを強調した。
北朝鮮の金正日総書記は先月、ロシアのメドベージェフ大統領との会談で核・ミサイル実験凍結の用意があることを表明し、オバマ政権を継続的な協議の場に誘い出そうとしている。しかし、シャーマン氏は「大統領とクリントン国務長官の選択は、我々が90年代に下した選択よりも強硬なものになるだろう」と述べ、米国との協議を望む金総書記をけん制した。
http://mainichi.jp/select/world/news/20110909k0000m030026000c.html