考察魔になる方法
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/10/08 22:58:41
思考の整理学
外山 滋比古 ちくま文庫
以前、「東大・京大で1番読まれた本」という帯で話題になった本。
よく売れただけに、いつも行く何軒かの古本屋には大抵、何冊が
揃っている。
本自体とは関係ないが、古本屋の楽しみの一つに「過去の流行に
思いを馳せる」というものがある。
売れた本ほど分かりやすいが、この本は、まさにこの遊びができる
類の本だった。
前半は「考える」ことについてのエッセー。後半は「論文を書く」という
前提のハウツー物という感じになっている。
なるほどと思ったのは、名案が思い浮かびやすい「3上」
・馬上(今なら通勤電車内)
・枕上(特に朝)
・厠上(厠=トイレ)
振り返ってみると、煮詰まっている時に解決案が思いつくのは、
職場の自分の席ではなく、全く関係ない事をしている時だったりする。
じっとして考え込んでいるよりも、半自動で何かしている時の方が
名案が思いつきやすいらしい。
ダーウィンは「進化論」の研究の際、よく庭を散歩して、考えを巡ら
せていたそうだ。
そして、名案を思いついても、すぐには使わないで、一旦、寝かせる。
テレビで見たが読書感想文も読んだ後、すぐには書かない方が
いいらしい。忘れても構わない枝葉末節は切り捨てて、印象に
残った部分だけが残るだからだそうだ。
仕事でも大事な資料を作った後、見直し作業は、すぐには入らず、
少し間を置いて(できれば次の日に)から入るようにしている。
また、この感想自体も読んでから少し時間がたってから書いているが
うまくいっているだろうか。
さらにまとまった考えはとりあえず書き、読んでみる。(声に出さなくてもよい)
読んで、つっかえた所が考えがまとまりきってない部分だ、というもの。
少し前に5分間スピーチをする事になったが、ちょうどその少し前に
この本を読んでいたので、この手法を使ってみた。
発表するつもりで(声は出さずに)読んでみたが、確かにつっかえた部分は、
ちゃんと整理ができていないとうすうす感じていた部分だった。
ちなみに実際のスピーチは、緊張してボロボロ。こういうものは回数をこなさないと・・・。
息の長い本らしいです。
初版が 1986 年ですから、今でも平積みの扱いを
受けるのはスゴイです。
あれって、復刻版かしら?
今だったら、インターネットやパソコンの利用というのも、
含まれるのでしょうね。