中国、20歳のチベット人尼僧が抗議の焼身自殺
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- 2011/10/18 20:32:35
【10月18日 AFP】中国・四川(Sichuan)省アバ(Aba)県で、チベット仏教の尼僧が中国政府の抑圧に抗議して焼身自殺を図り死亡したと、人権団体「フリー・チベット(Free Tibet)」が18日、明らかにした。
AFPが接触した地元住民は、20歳の尼僧が17日、自らの体に火をつけて焼死したと聞いたと話した。「フリー・チベット」によると、この尼僧はチベットにおける信仰の自由と、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)の帰還を訴えて焼身自殺したという。
アバ県ではことし3月、中国当局への抗議として若い僧侶が僧院で焼身自殺を図った。3月以降アバ県で焼身自殺した僧侶は今回で9人となったが、尼僧は初めて。3月以降、チベット人の間では抗議の機運が高まっており、当局の取り締まりも厳しさを増している。
英ロンドン(London)を拠点とする「フリー・チベット」によると、「宗教弾圧」に抗議するためならば喜んで命を捧げるというチベット人は他にもいるという。また、地元住民たちが、19日に一斉行動を呼びかける書簡が配布しているとの報道もある。
尼僧の自殺の前日には、四川省の別の地域であったチベット人による抗議デモで治安部隊が発砲し、チベット人2人が負傷したという。四川省には多くのチベット人が住んでいる。
アバ県の自治体政府にAFPが電話取材したところ、焼身自殺の件は何も聞いていないと話し、ある警察官は、この件についてコメントする立場にないと語った。
一方、地元ホテルに勤務する女性は、尼僧が焼身自殺したことは聞いたと話したが、これ以上の詳細については語らなかった。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2835846/7949276