迷宮 3 前編
- カテゴリ:自作小説
- 2011/10/23 22:31:15
玲を如月邸まで送っていった孝也が、自分の会社に戻ったのは、お昼を少し過ぎた頃だった。
いつものように、秘書の挨拶を背に受けながら自分の部屋に入った孝也は、自分の椅子に座る影を認め、眼光を鋭くする。
その影は、入り口に背を向け座っていたが、孝也が入ってきた気配を感じたのか、ゆっくりと振り返った。
「―――こっの、放蕩親父っ!!」
その孝也の声に、毅は片目を少し見開いた。
「ぉう、久しぶりだな。馬鹿息子!!」
毅のそのセリフに、今度は孝也の肩がゆれる。
「・・・その馬鹿息子にこの会社をさっさと明け渡して、家出したのは親父だろ?」
「家出って、人聞きの悪いこと言うんじゃねぇ!! ちゃんとかあさんと行ってるんだから家出じゃないだろうが。」
そう主張する毅に対し、孝也は特別感銘を受けた様子もなく、さらっと無視を決め込む。
「―――それで、放蕩親父がいまさら何の用?」
そう問いかける孝也の質問は、しごく当然のことであろう。
昨年、毅は孝也に会社の全権を譲るとすぐに、妻を連れて世界旅行に旅立ったのだった。その報告でさえ一枚の置手紙だけで、孝也が二人が元気であること知ることが出来るのは、1ヶ月1度の母親からの手紙だけである。
つまり、そんな事情から先ほどの質問となったわけであった。
「おぅ、お前、今度結婚するんだってな。で、その花嫁の顔を拝みにかあさんと帰ってきたってわけだ。」
その毅の当たり前だといわんばかりのセリフに、孝也は彼らしからぬ行動を起こす。―――つまり、呆然としていたのだ。
だが、そこはふてぶてしい孝也のこと。すぐに正気に戻ると、先ほどの様子は露ほども見せない口調で、
「どこで、その話を?」
と、尋ねた。 それはそうだろう。孝也が玲と婚約したと言ったのは、つい2時間ほど前の話なのである。まだ、この話が、巷の噂になるには早すぎる。
孝也が不思議に思っても仕方ない。
「さっき、ばばぁから、直接電話があってな。お前が玲と婚約しているらしいが何か知らんかって言ってきたんだよ。あのばばぁと親戚になるのは少しアレだが、あの玲ちゃんがウチの嫁になるとは・・・、お前にしては大手柄だ。」
そう毅は断言する。 毅とカヤノは旧知の仲である。そんな電話をカヤノが毅にしたとしても何の不思議もない。
(・・・・なんで、言うかな。しかもよりにもよってこの親父に・・・。)
思わず、そんな理不尽なことを考えてしまう。
実は、孝也は今回の計画についとは別にある作戦を思いついていたのだが、
(親父が玲との事を知ったとなると、中止かな・・・。)
そう思うとため息が出る。
「じゃぁ、親父。俺、仕事するから」
そう言って、仕事に戻ろうとした孝也の背中に、毅はこう語った。
「あ、それと、玲ちゃん。来月からうちで住むことになったから。」
毅はそれだけ言うと、孝也の返事を待たずに踵を返す。
「・・・え?ちょっ、親父っ!!」
そう慌てる孝也の声に応えたのは「ぱたん」という、扉が閉まる音だけだった。

























ステプどうぞ♪
いきなりでも来るもの拒まずなので
即行で承認してしまうんですがw
ご丁寧にお聞きくださり、なんだか感激です!
もちろん!
いや、こちらからお願いしたいくらいですよ!!
これからも素敵な作品をたくさん読ませて下さいね☆
そして、私もたくさんの雄叫びをいただけるように頑張ります(`・ω・´)
なので、友だち申請ボタンとステキと水を押して帰ります。
どうぞ、ヨロシクです(。+・`ω・´)
あ、後編も見て帰ります!
楽しみ☆
コメントありがとうございます。
会長、こっちのが好き勝手してますね。
もうね、書置き一枚で世界旅行に行っちゃうんです。
そんな会長なので、「伝えたい言葉」の会長の方は
まだまだ序の口な感じです。
うふふっ。
偽装婚約なんですが、やっぱお金持ちは
婚約したら一緒に住むかなと思ってv
続き、今からUPしますね。
楽しんでいただければ嬉しいです。
あ、それと、お願いなんですけど。
ここのトピですみませんが、友申してもいいですか?
ずっとお願いしようかと思ってたんですけど、
っていうか、いきなり友申は失礼かなと思いまして…。
突然ですみません。
どうぞ私のいつもの雄叫びがご迷惑でなければよろしくお願いいたしますw
置手紙1枚で会社をほっぽって世界旅行!
孝也さん、さぞ苦労しているのでしょう(^^;
玲さん、孝也さんの家に住むんですか!
本人たちの意志とは別・・・
かどうかは分かりませんが・・・
偽装婚約なのに
これがきっかけでリアルに傾いて行く。
とかなんでしょうかね?
ひゃ~!
続きを楽しみにしています☆