読書の秋に読みたい本~サラ・ウォーターズ~
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/11/03 22:18:50
特に秋だからというわけではないのだが、積み上げていた中から
サラ・ウォーターズの『エアーズ家の没落』(上下巻・創元推理文庫)を
この週末に読もうかと思っている。
サラ・ウォーターズはすっごい好きなんだが、
いかんせん重厚なんで
なるべく体調のよいときを狙いたいと思ってたら今まで読めずw
日本での初紹介は『半身』。
ヴィクトリア朝の英国を舞台にしたサスペンス。
主な舞台は監獄でヒロインは上流家庭のオールドミス
(家を守るため嫁がず残る女のことだよー)。
そういった女性がするように監獄へ慰問に行った先でひとりの囚人に出会う。
儚げな独特の雰囲気を持った女霊媒に。
とにかくこのミルバンク監獄の描写が迫力あって、雰囲気にのまれるというか。
重い、重苦しいよ監獄!
筆力がとにかくすごい。
ヴィクトリア朝の英国なんて萌え時代のひとつなんで、
そこそこ本も読んできたつもりだけれどまったく甘かった。
書かれずにいるであろう参考文献とかすごいんだろうなー。
次に紹介された『茨の城』(上下)は同じくヴィクトリア朝を舞台にしているが
『半身』が静の物語ならばこちらは動。
片や貴族令嬢、片や下町のスリの娘。
この2人の運命が絡み合ってどんでん返しのどんでん返し。
最後まではらはらしながら楽しめた。
そのほか翻訳されているのには『夜愁』(部屋の中で遭難中のため未読)がある。
興味持った人もいるかもしれないので最初に言っておく。
ネタバレにはならないと思うから忠告として。
『半身』と『茨の城』は百合だから。
平たく言えばレズ。
予備知識なしに『半身』読んでて途中で「え……?」ってフリーズしたよw
ウォーターズ自身がそうらしく、たいていの作品に同性愛者が登場する。
ただそんなものどうでもいいくらい読み始めると物語に惹きつけられるので
秋の夜長にはおすすめかもしれない。
ぜひ香り高い紅茶をお供にどうぞ♪
いや、別に文芸文学系ではありませんよw
漫画ラノベ愛好家の私だともうおわかりのはずでしょうに。
京極夏彦は途中まで読んでました
(前作、前々作、前々々作への記憶を要求されるのについていけなくなったorz)~。
ウォーターズ作品はどれも現役流通品。
雰囲気はディケンズに近い、英国を感じさせる良作揃い♪
今日は本屋の平積みで京極夏彦の文庫本「ルー=ガルー2」上下巻をみつけ
「ルー=ガルー」は下巻しかなかったので、2の方を買い、1の方は取寄せを
頼んできました。
入荷して取りにいくとき、あずみさんのご紹介の本も頼んでみようかしら。
知的な香り漂うブログに、メジャーで俗な本を読んでることを書いて、ちと恥ずかしい。w