最後の最後に
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/11/12 13:39:43
私の遺品お願いします。
吉田太一 幻冬社
「本が好き!」(http://www.honzuki.jp/)より献本されました。
著者は遺品整理を行う会社「キーパーズ」(http://tokyo.keepers.co.jp/)
の経営者。
テレビで取り上げられたのを契機に遺品整理の見積りをしてもらいたい、
という電話が来るようになる。
その業務の性格上、「予約」といったものはできない上、見積りをした
としても、その「業務依頼」がいつくるかも分からない。
そのため、当初、そのような依頼は断っていたのだが、あるとき
「なぜ、多くの人が見積りをしてもらいたがるのか」
を考えた時、その考えは180度変わる。
自分の死を意識しはじめ、準備を始めた人が最後に困るのが、
遺品整理、という事が多いらしい。
家族や友人がやってくれるなら、そうするのが一番なのだが、人それぞれ
事情があるので、そうもいかない人がこの会社に電話をかけてくる。
そして、口々に言うのが「これで安心した」という言葉。
「それで安心できるなら、見積書を書かせていただきます」
と著者は全国を飛び回り、依頼者の話を聞くことにする。
あくまで「予約」などではなく「事前相談」という事で相談を受けたケースが
本書で紹介されている。
事情は十人十色だが、事前相談をした人の多くから
「他人に迷惑をかけたくない」
という言葉が出てくる。(著者もその共通点には気が付いている)
「他人に迷惑をかけない」という事はその通りなのだが、その「迷惑」の
レベルが随分違う。
著者や自分からすれば「迷惑でもなんでもない」という事も「迷惑だろう」と
考えているのだ。
あるいは自分のプライドが他人に甘える事を許さないので「迷惑な事」と
捉えているのか。
某首相の頃から
「自己責任」
という言葉が
「自分とは関係ないから勝手にやれ」
と同義語になったのも助長しているのかもしれない。
迷惑をかけないために無人島での一人暮らしを始めたとしても、
家族・友人が捜索願を出して騒ぐだろう。
要するに生きている以上、他人に迷惑をかけない生き方はできない(と思う)
著者も最後で言っている。
他人に迷惑をかけるために絶対に外せない条件は「生きている」という事。
自分が死んでできない事は「迷惑」ではなく「仕方ない事」
なんでもかんでも自分で決めると肩肘張るのではなく、(ほどほどに)他人に
甘える事も考える、「お互いさま」という言葉をもう少し見直してもいいのでは、
という気がする。
無論、過度に期待してはいけないが、素直に「お願いします」と言えば、自分
で思っている以上に人は応じてくれると思う。
プライドや体裁ばかり高くなってしまっているのだろうか。
ところで、自分の遺品整理の時、見られたら死ぬほど(←死んでる)恥ずか
しいものがあったら・・・
幽霊になって回収、とも考えたが、幽霊は物質を持てるのだろうか。
それに物質でなくパソコンの中の恥ずかしい画像などといった情報だったら
どうすべきなのか。
そういった物は持たないようにすべきか、失笑の声はあの世までは聞こえない、
と開き直るべきか。
と思いましたが、その機械に登録してあるもののリストを
見られたら、意味がないですね。
やはり自らの手で闇に葬り去るか、開き直るしかないですかね。
うむ・・・派手な下着等はどうしたものか・・・って、ちがうだろ~~~~~><
すみません、現在風邪~肺炎な前で、、いつもにまして頭がぼ~~っとしてまする^^;;;
(自分もあまり人の事を言えたものではないと思いますが)
普通の時は、それでもうまくいくのですが、いざ何か困った事が起きると、
どうすればいいか分からなくなってしまう人が多いように思います。
子育てに関しても「おたがいさま度」が急激に下がってきてるような気がします。
ちょっとでも他人に迷惑を掛けると「何あの子!?」って目で見られますからね。
家族同士の関係もそうです。なんでも許しあえる、何でも言い合える、空気のような存在・・・なはずだと思うんですが私は。
でも、家族は一番身近な他人、って言いますしね。むずかしいです。
そのうち、専用のサービスをやる会社が出てきそうです。
そういえば、「嫌われ松子の一生」の中でも、ドタドタと遺品整理に出向くシーンがあった..かな
人間何が起きても不思議じゃないから、年齢に関係なく身辺整理はしておきたいところです^^;;
ただ、目に見えるものは、捨てるなり整頓すればいいのですが、PCの中がですね~;;
日記とかメールとか、かなり恥ずかしい遺品が詰まってることになっちゃう
以前、「遺書」と書かれた文書ファイルをクリックすると、PC内のデータを抹消するソフトがあると
聞いたのだけど、これはこれで取り扱い注意ですよね 笑
昔、仕事で経験ありますが、自分のプライドとか体裁を気にしてしまうのですよね。
今考えれば、どうでもいい事だったのですが・・・。
>イザベラさん
今は「俺が、俺が」と自分だけの事しか考えない(考えられない)人が多いですが、
そのうち、揺り戻しで、「お互いさま」となっていく、と期待したいです。
>カトリーヌさん
うっかり、「見~た~な~」と化けて出たりすると、「何を?」とか突っ込まれて、
「あの・・・、その・・・」と逆効果になりそうなので、生きて元気なうちに処分するか、
その時間がなかったら、開き直る、という結論に至りました。
生きいて、まだ元気なうちに処分しましょうね~(笑)。
う~ん、でも死んじゃったら、
恥ずかしさも、何も感じなくなるけど・・・どうしましょう(汗)
一人で生きているってありえませんもんね。
毎日食べるお米も農家のかたが作ってくださるから...
そのお米を買っているのは農家の収入に繋がっているし...
「生きている」だけで誰かのお役にたっているのよね。
大事ですよね。。ホント、思ってる以上に人は応じてくれるのに…