刑事コロンボを語ると止まらないスレッド3
- カテゴリ:映画
- 2011/11/18 11:48:53
刑事コロンボを語ると止まらないスレッド3
前回の続きです。(前回はベスト1~6までを語りました。)
●ベスト7 第19話 別れのワイン
犯人の専門性を逆手に取ったもの。犯人ならば微妙なワインの劣化がわかるだろう、と読んでのひっかけワザをかける!
コロンボ自信も、犯人のひっかかり方にたいへん驚いていました。コロンボにはワインの味の違いはわからないから。このあたり、私のツボにハマリマシタ。
でも私がちょっとわからなかったのは、犯人がなぜ、ワイン蔵の空調を止めたのか?これ、あんまり必要性ない行動ですよね。ワイン蔵から別の場所へ被害者を移動しておけば、完全犯罪となったでしょうし。犯人にとっては神聖なワイン蔵で犯行にいたったバチがあたったということか?…まあ、つっこむべき部分はありますが、話の中で、エドガー・アラン・ポーの「アランティラードの樽」のことをコロンボが相手(犯人)と語るシーンがあって、ミステリーファンにとって嬉しいですね。なんたって、ポーはミステリー小説の最初の人とされています。コロンボも犯人もポーのファンだったのでしょうね、きっと。ちなみにポーは西暦1841年頃、日本では江戸時代の頃の人です。「アランティラード」とは、ワインの最高級銘柄です。「アランティラードの樽」は死体をワイン蔵に隠す話で、コロンボはしきりに、「アランティラードの樽の話もありますし…」と相手にほのめかすのですよ。だから知らない視聴者には、ここらへんのセリフの意味がわからない。知ってる方には、ニヤリと来るのです。私はもちろん、ニヤリでした。
”エドガー・アラン・ポー”と”江戸川乱歩”(少年探偵団・名探偵 明智小五郎・怪人二十面相シリーズの作者)は別人ですよ。念のため。
●ベスト8 第30話 ビデオテープの証言
機械仕掛けのトリックは、ミステリーでは敬遠されがちです。が、これは「策士、策におぼれる」ケースです。コロンボは証拠のビデオテープを何度も見直し「まだ見えないが、何かが見える」というセリフ!そして直感から犯行の決定的ミスを発見します。私も、この場面、一緒になって画面のビデオを見ましたが、ナニカが見えない。後で再度見直すと、確かにソレが写っていました。そうです、視聴者にも公平に謎解きのチャンスは与えられていました。だから、正直私は悔しかった。コロンボに脱帽。
また、コロンボが拳銃を撃つシーンがシリーズで唯一あります、床に置いた砂の入った箱に発射し、そのときの銃声が婦人に聞こえたか、の現場検証をしただけですが。
●ベスト9 第32話 忘れられたスター
密室、アリバイ、犯行方法(この話では、自殺と見せかけた)と3拍子のトリックがそろった話。しかも犯人は脳腫瘍による健忘症で余命2ヶ月、自分が犯行をおこなったことすら忘れているようだ(と、コロンボが言っている)。なにしろ健忘症なので、コロンボのいつものペースに相手が乗ってこない、犯人との対峙は発生しない。うん、とてもじれったい。(ネタバレですが)シリーズで唯一、コロンボが犯人を逮捕しない話。
これ、もしも現実にあったならば、やっぱり有罪に持ち込むのは不可能と思われるケースですね。だから、”真実をコロンボが暴いた”ことで充分だ、とする話でしょう。こう考えるのは私だけでしょうか?
…いかん、興奮してきたので、このへんにしておきましょう。