Nicotto Town



難解 科学漫才

0と1から意識は生まれるか
 -意識・時間・実在をめぐるハッシー式思考実験

 橋元淳一郎  早川書房


タイトルを見ると人工知能に関する話を想像するが、実際はハッシー君
(著者:ボケ担当)と天才コンピュータ・ドクターψ(プサイ)(ツッコミ担当)
の二人(?)による科学漫才

目次だけを挙げてみると
第1章 葉緑体人間は可能か
第2章 人工生命は自己意識を持てるか
第3章 自己意識とは何か
第4章 時間とエントロピー
第5章 時間はなぜ過去から未来に流れるのか
第6章 真の実在を求めて
と、「SFマガジン」に連載されていたものだけに、SFチックなものが多い。

第1章は「葉緑体人間」と言われても、あまりピンと来ないかもしれないが、
理論上、呼吸をする必要がない人間は作る事ができるか、という話。
「地球外生命体は、どのような姿をしているか」というテーマに置き換えて
読むと分かりやすいかもしれない。

第2章以降、話は「意識」「時間」「実在」といったものになっていくため、
第1章だけ浮いている感じがする。
事実、第2章以降、段々、話が難しくなってくる。(個人的には第4章から
脳が息切れし始めた)

印象に残った点は「知能の高さの先に自己意識は存在しない」というもの。
つまり
「知能が高い」「自己意識を持つ」
という事。

コンピュータに「知能」を大量に詰め込めば、「自己意識」を持つようになるか、
と言えば、そうでもない。
(だからと言って、コンピュータが自己意識を持つ可能性は否定してないが)
逆を考えれば、アメーバにも「自己意識」があるかもしれない、と考えると面白い。


第5、6章では、仮説ではあるが、「時間」と「空間」は実在しない、という話が
飛び出す。
まるで荘子の「胡蝶の夢」。

元々「哲学」は、今で言う「科学」と同じ位置付けのものであったらしいが、
こういうテーマになってくると、その事がよく分かる。

でも難しかった・・・。

アバター
2011/11/27 20:54
ネットで調べてみたのですが、T進ハイスクールで物理学の講師をやっていた人ですね。
(今もそうかは分かりませんが)

この本でも「意識」の定義で随分、ページを割いていました。
難しいですね。
アバター
2011/11/27 01:43
この作者の人って、確か某予備校で、
物理の講師をやっていた・・・うろ覚えでごめんなさい。

意識って定義し難いですぅううう~。




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