Nicotto Town


てらもっちの あれもっち、これもっち


孤独とウェルカムボード

Bill Evansを聴いていた。

エスカレーターを下りながらイヤホンを外した。
バイブで震えるiPhoneに応答した。
「北改札にいる?」
「たぶんね。」

 ・・
北中央改札近くの喫茶店に彼はいた。

あらかじめ想定していた地下通路に移動し
二人でウェルカムボードを作り始めた。
通り過ぎる人々の目はおそろしく重い。

しかし、それでもやはりつくりあげないといけない。
「まささん。絵はよろしく頼むよ。」
「えっ?」
アーティスティックでチャーミングな出来映えだった。
「出来たね。」
「ああ、出来たよ。」
完璧なウェルカムボードなどといったものは存在しない。

二人で服装のコーディネートを整える。
整えるという作業が僕らを少し落ち着かせる。

改札前でウェルカムボードをかざして立った。
アートなウェルカムボードに、行き交う人々が
視線を向ける。

僕らのコーディネートも目を引いているし、
そう、そのとき、僕らは確かに輝いていたんだ。

同僚に見られたらどうしよう。ということを考え始めた頃に
まささんがトイレに向かった。

一人立ち続ける。孤独と友達になれそうだ。
行き交う人々の中にも孤独の友達がいるかもしれない。
そして、これでもなお
一人で冷えたハンバーガーを食べるほうが孤独だ。

「結婚式の二次会の看板係を押し付けられたんだ。」
という言い訳を考えつく。
想像力と状況の間に深く横たわる溝を少しづ埋めていく。
 じゃ、誰が結婚したんだ。ありよしさんだ。
 ありよしさんの結婚式を妄想し、父親の挨拶が終わった頃に
まささんが戻ってきた。

そして女性二人連れが近づいてきた。

 こちらを指差している。近づきたくないらしい。
だいごろうさんとおともだちさんだった。
一緒にいると恥ずかしいという事で
少し離れて待ってもらう事にした。

ありよしさんが来た。
一目でわかった。
目を丸くして立ち止まっている。
その沈黙は完全だった。

彼女の考えていることを知りたい気もしたが、
彼女にウェルカムボードを向けて
にやりと笑った。

続く。。。のか。

byてらもっち

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2011/11/30 00:33
>クワトロさん.

やっぱり『風の歌を聴け』の初っ端にありましたヨっ.



>てらもっちさん.

PLAN-B は素敵ですネ.
みんな「あれっ!? 集合場所はここじゃなかったのかなぁ?」って
不安に思い始めるころに,その攻撃に対応できません(笑)

ちなみに,トイレでは「さっきトイレ行ったばかりなので出ないなぁ・・・」って
思っていました.
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2011/11/30 00:18
食べ物を比喩にするところが
それっぽくていいですよ~(・∀・)
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2011/11/29 23:26
クワトロさん
 「そして、これでもなお」がパクリで、あとはオリジナルです。
 うーん。嬉しいです!

 でもharukiさんだったらハンバーガーじゃなくてサンドイッチかもしれません。
 僕はチープなのでハンバーガーです。
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2011/11/29 23:22
本庄さん
 まささんと話していた中でPlan Bというのがありまして、入場券で駅構内に入って、待ち合わせ時間をちょっと過ぎてからあの格好で改札を出てきて目を丸くする人が参加者だというwww   もちろんその場から逃げ出そうという人も、あの看板をもって追いかけて行くというPlanでした。
 トイレで何を考えていたのかは気になりますwww
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2011/11/29 00:52
一人立ち続ける。孤独と友達になれそうだ。
行き交う人々の中にも孤独の友達がいるかもしれない。
そして、これでもなお
一人で冷えたハンバーガーを食べるほうが孤独だ。

このあたりが特に気に入りました(・∀・)

>本庄さん
あったような気がしますね。
「完璧な希望もないんだよ。」みたいなくだりだったような…?
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2011/11/28 23:59
>クワトロさん.

あれ!?
『完璧な絶望が存在しないようにね』みたいなフレーズなかったでしたっけ?


>てらもっちさん.

いやぁ~www
私は改札を通る前に目撃したので,
とりあえずトイレに行って時間をつぶしました.(すみませんw)
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2011/11/28 22:45
だいごろうさん

いやー。失敗しました。
カメラの電池は全然充電していませんでした。
画面をつけたらバッテリー切れマークがつかなかったんで、そのまま持ってきちゃったんですよね。

本当はありよしさんや本庄さんとのファーストコンタクトの驚きを
画にしたかったんですけれどね。

まー。こんなもんですよ。
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2011/11/28 22:37
クワトロさん
 よく気が付きましたね。
 今回の文体のテーマはチープな春樹っぽさです。春樹さんのような平易な文体で崇高なことを文章に事は感性の無い僕には出来ません。文章を書くという作業は、とりもなおさず僕と僕をとりまく事物との距離を確認することで、必要なものは感性ではなく、ものさしなのです。そのものさしを春樹さんの本からお借りして文章を作り上げていく事が僕のチープさなのです。
 春樹さんファンには申し訳ありませんが、参考とする本も少なく、そのままジャン的なところもあります。探してみて突っ込んでみてください。
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2011/11/28 22:27
まささん
 多分、僕たちは完璧ではないけれど最高なウェルカムボードを作り上げたのですよ。
 僕たちの最高を!

 そしてそのウェルカムボードは今、.....
                          ...続く.
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2011/11/28 22:24
ちとせさん

 輝いていましたか。
 そうでしょうね。行き交う人の50%はこちらを見て、僕と目が合うと背ける。
 緊張と興奮の時間でしたが、そのうち、自分を冷静に見られるようになりました。

 リスクは実生活の知り合いとの出会いだったのですが (横浜駅近くに社宅有り。)
 顔も知られていないので大丈夫と見切りました。
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2011/11/28 21:52
その光景を目にすることが出来なくて…残念であり申し訳ないです(;・∀・)

ところで、この日記の文体
どこか春樹っぽいと思うのは私だけでしょうか?(笑)
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2011/11/28 17:46
先日はどうもありがとうございました。
少し離れた所から、近づく人々の様子をカメラに撮ってくれと言われましたが・・・
まさかの電池切れ!!!
このタイミングで???
笑わせていただきました。
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2011/11/28 17:14
そう…完璧なウェルカムボードなんて存在はしないのです!お疲れ様です、本当にお疲れ様でした。
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2011/11/28 16:21
あのボードにこんなエピソードがあったとは存じ上げず、すみませんでした。
確かに輝いてました。輝いてはいました。とても目立ってました。

続きを楽しみにしてます。




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