3月10日のリンゴ
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/11/29 05:18:37
3月10日のリンゴ
秋田県 横手市立増田中学校 1年 稲垣 真於(いながき まお)
秋田に住んでいるいとこからリンゴが届いた。
また傷リンゴだろうね。前に送られて来たのがまだあるから、玄関に置いておこう。
次の日、まさかの大地震。震度6強。家に入ることはできなかった。運よく玄関先にあったリンゴの箱。
リンゴを車に積んで、祖母の家に逃げた。
「長期戦になるかもしれないから、惜しんで食べよう」
母が言った。
私と弟は二分の一ずつ。母と祖母は四分の一ずつ食べた。
体重が百キロもある父は、母に叱られながら1個。次の日は半分。
原発が爆発して、祖母の家にもいれなくなって、秋田のいとこの家に逃げることになった。
途中でガソリンがなくなった。寒い車の中でリンゴをかじった。泣けてきた。
やっとガソリンが買えたからと言って、おじさんが迎えに来てくれた。
箱の中にはリンゴはなかった。ぎりぎりセーフ。
秋田に着いたら、秋に見た明るいリンゴ園の雰囲気は全然なかった。
40年ぶりと言う豪雪で、枝がバキバキ折れていた。
まるでお化け屋敷。
福島は梅や桃や、早咲きの桜が咲き始まっていたのに、雪雪雪の世界。
白いはずの雪の上に、雪を消すためだと言う黒い墨の粉がまかれていて、無残だった。
リンゴ農家の苦労も知らず、傷リンゴだなんて文句を言っていた私。
そのリンゴに助けられた。私はリンゴの枝を雪から掘り起こす手伝いをした。
ガンガンに凍った雪を掘るのは大変だった。1本でギブアップ。
命を救ってくれたリンゴに感謝。リンゴ農家に感謝。
さきたんの魂が綺麗なんだよ(*^-^)ニコ
食べ物のありがたみを忘れないようにしたいですね(*^-^)ニコ
命あるもの全てに感謝(*^-^)ニコ
ステキお届けだよん♫^ロ^♬~
りんごの壁紙、可愛い。
またここにきてこの詩を読み返したくなりました。 何度読んでも、逆に読めば読むほど
書かれた方の想いが伝わってきますね 心にグサッと刺さります。
私も日頃食べているものに結構文句をつけたりしている方なのです
懐かしいと申すのは今のところに引っ越した時にあわててでしたので
プロパンガスの契約が出来ずにその日は缶詰を食べた記憶があったからです
食べるものがない時ほど食べ物のありがたみが分かるものです
このお話をかみしめる思いで読ませていただきました^^
命あるもの全てに心から感謝
今はそれだけしか言えません。
もう二度と大地震が来ませんように(-∧-)合掌・・・
みーなさんの優しさが伝わってきます(*^-^)ニコ
元気の象徴っていい言葉だね(o^-')b グッ!
稲垣さんほどじゃないけど・・・
暗い自宅の中で家にあったパンを食べたことを思い出しました。
水もガスも電気も使えなくて
余震の多さに不安になりながら
それでもしっかり眠ったっけ・・・
命のリンゴと、稲垣さん御一家がご無事であったことに感謝します。
なんかその素直な文章に 震災当時が思い出されて、胸が詰まるような
文章ですよね ディオたま こんな詩よくみつけられましたね@@
真赤なリンゴはきっと元気の象徴になっているんでしょうね^^
当たり前のように食べてた自分が恥ずかしくなってきます。