ある家族のおはなし
- カテゴリ:日記
- 2011/12/08 19:38:53
ある家族のおはなし
サキちゃんのママは重い病気と闘っていました。死期を悟ってパパを枕元によんだ。その時、サキちゃんはまだ2歳。
「あなた、サキのためにビデオを3本残します。
1本目はサキの3歳の誕生日に、
2本目は小学校入学式に。
3本目は・・・・・・の日に見せてあげてください」
まもなく、サキちゃんのママは三本のビデオを残し天国へ旅立ちました。
サキちゃんの3歳の誕生日。1本目のビデオがかけられました。テレビ画面に、病室のママが映し出されました。
「サキちゃん、お誕生日おめでとう。ママ、うれしいなぁ。でもママはね、テレビの中に引っ越したの。だから、こうやってしか会えないの。パパの言うことをよく聞いて、おりこうさんでいてね。 だったら、ママ、また会いにいくからね。」
サキちゃんの小学校入学の日、2本目のビデオがかけられました。
「サキちゃん、大きくなったネ。おめでとう・・・。
ママ、うれしいな。どんなにこの日を待っていたか。サキちゃん、ちゃんと聞いてね。ママが住んでいるところは、天国なの。だから、もう会えない。パパのお手伝いがちゃんとできたら、ママは、もう1回だけ会いにきます。じゃあ、魔法かけるよ。エイッ!ほうら、サキちゃんはお料理やお洗濯ができるようになりました。」
そんなある日、パパに義母がお見合いの話をもってきました。パパは再婚する気はなかったのですが、サキちゃんの将来を考えてお見合いすることにしました。
パパが結婚の話をサキにした時、サキちゃんは自分の部屋に走って行き 「サキのママはママしかいないのに」とママの写真を見て泣きました。
サキちゃんが結婚を受け入れないまま、新しい母親を迎える日がやってきました。
この日が、3本目のビデオを見る日でした。タイトルには、こう書いてあったのです。
「新しいママが来た日にサキちゃんに」
それはサキちゃんが10歳のときでした。
「サキちゃん、お家の仕事がんばったね。
えらいね。
でも、もう大丈夫よ。新しいママがきたんだから。
・・・サキちゃん。今日で本当にお別れです。
・・・サキちゃん、今、身長はどれくらい?
ママには見えない・・・・・・。
(ママの泣き崩れ、カメラを抱え込む姿が映る)
ママ、もっと生きたい・・・。
あなたのために、おいしいものをいっぱいつくってあげたい・・・。
あなたの成長を見つめていたい・・・。
本当はサキちゃんと友達の話をしたり、ボーイフレンドの話をしたかった・・・。
ひと目でいいから、サキちゃんの花嫁姿をこの目で見たかった・・・。
・・・・・・サキちゃん、これがママの最後の魔法です。
それは{ママを忘れる魔法}です。
ママを忘れて、パパと、新しいママと、新しい暮らしをつくってください。
では、魔法をかけます。1・2・3・ハイッ!!」
そこでビデオは終わった。
サキちゃんは魔法の通りに、3人で仲良く暮らしました。
しかし最後の「ママを忘れる魔法」だけは、サキちゃんにも、パパと、新しいママにも、効かなかった。ママは、どんなことがあっても忘れることのない“心の宝石箱”として、ちゃんと残っていた。
ありがとう
嬉しいです
素敵な言葉ですね。
ひなちゃんも いっぱいあるでしょうね。
最後の魔法・・・
サキちゃんだけでなく パパや新しいママにも効かなかったのですね・・・。
ママを“心の宝石箱”として 大切にしてくれるパパと新しいママだったから きっと3人で仲良く暮らせたのですね^^
●プロフィール●
書家・福詩家たろう
(本名:轟木太郎)
1979年5月1日生まれ
兵庫県出身。
幼少期を台湾で過ごし、神戸医療福祉専門学校を卒業し、ソーシャルワーカーとして福祉の現場で働く。末期ガン患者の方に書いたのを機に「路上詩人」として2004年10月デビュー。
現在まで7年間で7万人の方に書き下ろす。
日本全国での、イベント・個展・トークライブ・壁画などで活動。
海外での個展も大成功をおさめる。・・・
またテレビ・ラジオ・映画・新聞・雑誌などメディア等、多方面にて活動を広げている。
主な活動履歴
2004年
路上詩人デビュー
2006年
画集『のほほんと』を出版
オーストラリアケアンズにて第一回目個展開催
2007年
Healthy&Organic「アッシュカフェ」オープン
2008年
映画『秋深き』出演
雑誌『KYOTO Journal70号』掲載
2010年
AUTO MESSE OSAKA2010にパフォーマー出演
アーティスト人材派遣「株式会社アートオフィスともだち」設立
[メルモPR]
メルモでメルマガ発行しよう!
http://merumo.ne.jp/
バックナンバー
http://bn.merumo.ne.jp/list/00541316
ありがとう
友人のメルマガからでした。
私も読んで泣きました
私の生みの母は私を生んで10日で天国に行っちゃいました
顔も知らないのー。
でもゆめは周りの人の優しさで大人になりましたヽ(^o^)丿
読んでいて涙が出ちゃいました。
ママの優しさ、ママの悲しさがとても伝わる
お話ですね。