ドラゴン日誌 飛来
- カテゴリ:日記
- 2011/12/21 14:45:06
4つ目の寄港地は、ブタペストの街だった。
ドナウ川の河畔に降ろされたみなわは、360度を見まわし、
「きれ~い!」
と、声を上げた。
みなわはドナウの河畔をゆっくりと歩いて、上流へと向かった。
「ここって、ある意味今までで一番難しいかも」
「キ?」
「だって、何があっても不思議じゃないもん」
「…」
「ねえ、リゲルとアルは何か知らない?」
ぬいぐるみにしか見えないリゲルが、ふるふると小さな顔を振った。
帽子に化けているアルは頭の上でため息を吐いた。
「わかんないよね…仕方ないか」
「キキ?(俺が夜に探そうか?)」
「それもいいけど、ちょっと高いところに上がって、全体を見てみる」
みなわは小高い丘に登ると、足元に広がる市内を見下ろした。
ドナウ川に客船が浮かび、一幅の絵のような風景に色を添えている。
突然、アルが低いうなり声を上げて、市街地の上空に鼻を向けた。
リゲルとみなわは同時に顔を空に向けた。
何かが光りながら落ちてくる。みなわは慌てて周りの観光客を見回した。
不思議なことに誰も気づいていない。
光る物体は、市内の大きな建物の屋上にぶつかるように落ちてとまった。
「見た?」
うんうんとリゲルが頷き、アルが低くうなった。
「アル、あの場所に行ける?」
アルが、もう一度低くうなった
「じゃあ行くわよ」
市内に着くとすでに夕暮れになっていた。
アルの指示に従ってたどり着いたのは、レンガ造りの建物だった。
「キキキ(どうやって忍び込むんだ?)」
「起きたのピーちゃん。この建物のエレベーターで上まで行くの」
「キキキ(胡散臭そうな建物だぜ)」
「じゃあ、どうするの?」
「キキ(俺が屋上を見てくる)」
ピーちゃんが飛び立つと、みなわは建物の裏へまわり、細い路地の壁の上の死角に、帽子とぬいぐるみを押し込んだ。
途端にぬいぐるみがふるふると首を振って抵抗した。
たぶん、前回置いてきぼりにされそうになった恐怖から抜け出していないのだろう。
「アル、リゲルを頼むわ」
アルはOKとウインクした。
アルに後を任せたみなわは、何かを探しているふりをしながら、向かいの通りを行ったり来たりして、怪しい建物の入り口を見張っていた。
宵闇の中から、ピーちゃんがスーッとおりてきた。
「キキキ(あったぜ)」
「何が?」
「キキキキキ(とんでもないものがさ)」
「じゃあ、行くわ。ビルに出入りしている人間は、なんだか物騒な感じがするから、こっそり忍び込むわ」
そういうと、みなわは辺りをうかがい人気が途絶えたのを見計らって、ビルの中へ消えた。運よく誰とも出くわさなかったみなわは、屋上に上がってピーちゃんがなぜとんでもないものと言ったのかという理由を知った。
「なにこれ!?」
屋上にあったのは、円板に乗ったタコだった。
「誰だ!」
みなわの背後で男の声がした。
その頃、アルの前足で抑え込まれたフェレットが、短い脚でオオカミの横っ面を張り、アルは面食らって足を離した。
夜行性のフェレットは、素早い動きでビルの下に走った。
のしのしと、大きなオオカミがその後ろに立ってビルの屋上を見上げた。
夜空に星が瞬き、辺りはしんと静まり返っていた。
突然、静けさが破られて。
『バン!』
と、屋上から銃声がしたのだ。
続き、アップしたので読んでくださいね~^^v
さっそくアップしました!
お正月までに完結させて、模様替えしなきゃ^^;
ありがとう!
私も行ってみたいです~^^v
ドナウも行かれたんですね~。
言ってみたい場所がいっぱいあります。
一番素敵だた場所、教えてくださいね^^
続きアップしたので、読んでください^^v
気になる~~!!
きっと危機一髪難を逃れてますよね・・・
続きが気になります。
大丈夫かな?
銃声 そらまた 新しい展開 どうなる事やら
って、男の人はいったい誰なんだろう!
気になります!