ドラゴン日誌 飛来2
- カテゴリ:日記
- 2011/12/22 12:19:52
突然現れた男は、みなわがタコと円板を持っているのを見て何も言わず銃を撃ってきた。
屋上の排気塔に隠れたみなわは、何とかしてエレベーターか階段に行きつこうと隙を狙ったが、男が邪魔で行きつけそうにもない。
男が、徐々に近づいてくる。
「キキキ(このままだと逃げられない、俺が注意をひきつけれから隙を見て逃げろ)」
「撃たれるわよ!」
「キキ(大丈夫だ)」
ピーちゃんはみなわがとめるのも聞かず男に飛びかかっていた。
バシッ!
という音がして、男がピーちゃんを叩き落とした。
「ピーちゃん!」
男がゆっくりと、みなわのほうへやってきた。
きょろきょろと周りを見回しても、隠れるかげが見当たらない。
みなわは、唇を噛んだ。
その時、「シャー!」
という声が聞こえた。
振り向くと、屋上の手すりの隙間からフェレットが器用に這い上がってきた。
その口にはロープがしっかりとくわえられている。
「リゲル!」
見ると、ピーちゃんが起き上がって、もう一度男に向かっていこうとしていた。
「ピーちゃん、逃げるよ!」
そう叫ぶと、みなわはロープを手すりに通して、あっという間に地上に降りて行った。
横方向には至って弱かったフェレットだが、縦には強いらしく飛ぶようにみなわの横を駆け下る。
地面に着くと、巨大なオオカミがロープの束の横で、仁王立ちしていた。
最後の1メートルを飛び下りたリゲルが、ハアハアと息をつく。
ロープとオオカミを見比べてみなわは言った。
「アルがこのロープアルが見つけてきたの?」
オオカミはちょっぴり照れたように「ウウ」と唸った。
エレベーターのドアが開く音がして、ビルの中が騒がしくなった。
みなわは、ビルの屋上を見上げて、ピーちゃんとつぶやき、フェレットとオオカミを連れて、闇の中に身を隠した。
男たちがビルから駆け出して、四方へ散った。
見つかるのは時間の問題だ。
リゲルが「クク」と鳴いて屋上を見上げた。
「見に行くの?」
リゲルが頷く。
「お願い、ピーちゃんを連れ戻して!」
リゲルは、壁をするするとよじ登る。
ロープをくわえて登ったさっきとは違い、簡単に屋上にたどり着く。
しんとした屋上には、人影もピーちゃんもいない。
リゲルは、鼻をひくひくさせて屋上の隅の排水溝に歩み寄った。
蓋が少しずれて、ピーちゃんの足が挟まっているのが見えた。
「ククククル?」
「キー」
ピーちゃんが無事なことを確かめたリゲルは、小さな口で排水溝の蓋をくわえ、ずらそうとした。
口が滑って、蓋は動かない。
角度を変えてくわえ直し、もう一度引っ張った。
ズリッと手ごたえがあり、ピーちゃんが飛び出してきた。
「キー!」
2匹は大慌てで地面を目指した。
ビルの前には男たちに取り囲まれているみなわがいた。
男の一人が地面に倒れている。
アルが、男から奪い取ったらしい銃をくわえながら、みなわの前に立ちはだかって唸り声を上げていた。
先に音もなくピーちゃんが戻り、みなわが見上げる中を駆け下りてきたリゲルが、ひしっとみなわにしがみついた。
「みんな、無事でよかった!」
みなわは満面の笑みを浮かべ、例のボタンを押してボートを呼んだ。
ありがとうございます^^v
男たちの謎、解決編で^^v
私も、リゲルの映像が目に浮かんで、大好きです!
ありがとうございます。
ご心配をおかけしましたが、
無事船へ帰還しました^^v
みんな無事だったんですね^^
それにしても男たちって何者??
個人的に今はリゲル贔屓でっす^^v