迷宮9 後編
- カテゴリ:自作小説
- 2011/12/26 00:24:09
決して自分の気持ちは言えないけども、でも、話せるところまで話そうと玲は決心したのだ。
「私の都合で、孝也くんに婚約者の代わりをやってもらってるのが、すっごく孝也くんに悪いなって・・。」
孝也は話し始めた玲の言葉を黙って聞いている。
「仕方なかったのかも知れないけど、おじ様とおば様を結果的に騙してるのも・・・。」
それはこの婚約を孝也にお願いした時からずっと心の片隅にある玲の気持ちだ。
「でも、それを言い出したのは俺だし、そもそもこの婚約は玲のせいじゃないだろ?」
孝也は玲の心をほんの少しでも楽にしてあげたくて、言葉を紡いだ。
「でも、孝也くん。好きな人がいるんでしょ?」
思い切ってそう切り出した。
「『好きな人はいるけど、振られた』って言わなかった?」
そう寂しそうに笑う孝也に玲はかすかに頷いた。
「―――でも、『忘れられない』んでしょ?」
今度は孝也が押し黙る番だ。
「それなのに、私ったら自分の都合だけでお願いしてしまって・・・。」
そう言いながら、玲は孝也の眼をまっすぐと見返した。 先に眼を逸らしたのは、孝也、だった。
「・・・それが誰か、気がついてたんだ?」
そう呟いた。それは疑問形をとってはいたが、確認だった。
「―――うん。今日、ね。気がついたの。」
「そっか・・・。」
孝也は玲の手をそっと離した。
そうして、再びデスクの椅子に腰を下ろした。
「ゴメンね・・・。迷惑をかけちゃって・・・。」
玲はそう言うと、一大決心をしたように立ち上がり、デスク越しに孝也の瞳をそっと覗き込む。 一瞬だけ、だった。 テーブル越しに玲が身を乗り出し、孝也の唇にそっと口付ける。
「・・・・れ・・。」
い。と、言葉を続ける事も出来ないようなホンの一瞬。 玲は孝也に口付けてそっと離れた。
「おやすみなさい・・・。」
玲はそう言うと、孝也の書斎を後にした。
書斎の中に残されたのは、玲の不意打ちに呆然としている孝也だけだった・・・・。

























まじめにステプお届け隊.:♪*:・'゚♭.:*・からの水遣り素敵のお届けです♪
そして、凛さんは1組なので、1組のメンバーだけで問題ありませんので…
これからもお願いします。