「皆さん、こんばんは。 素敵な大晦日をお過ごしでしょうか？ 黒猫アニーです」
「皆さん、こんばんは。 ２ヵ月間のご無沙汰でした。 コウモリの モリコーネです」

「おっほっほ。 コウモリボーヤは、いつ聞いても立派な名前じゃのぅ！」
「はい、よく映画音楽の巨匠に間違われます！ でも、オイラは、いたって普通のコウモリです！」

「それでよい、普通が一番じゃ。 あの赤鼻の吸血コウモリだって、普通に憧れていたのだからのぅ…」
「って、ストップ！ストップ！ ねえ？ なあに、この茶番劇は？」

「え？ 何って、この間のサンタラジオを聞いて、モリコーネも おもしろい！って言ってたじゃん？」
「だからって、再現することないじゃん！ しかも、再現しきれてないし！」

「でも、番外編を放送してください！ って言う、熱いリクエストもあったらしいよ？」
「だからって、オイラたちがやることないじゃん！ しかも、この大晦日に！」

「あ！そうだ、大変！ 今日で今年が終わっちゃうんだった！」
「でも、そんなに騒ぐことでもないんじゃない？ 今日で世界が終わるわけでもないんだし…」

「あ、それもそうだね。 泣いても笑っても、来年は来るしね！」
「うん。 寝ても覚めても、時の流れは続くし！」


「ねぇ？ オイラたちが皆さんに、今年最後のご挨拶をすることになったんだけど…。 どういうこと？」
「なんかね、ボーヤ家の皆さんは、何かと忙しいんだって」

「え？ どこが忙しいの？ オイラには、ゆっくり年越しそばを食べているようにしか、見えないけど？」
「うん。 オイラにも、そう見えるけど…。 でも、このあと、紅白歌合戦で、ＡＫＢ４８を見たいんだって」

「あ、そうなの？ ＡＫＢって、あの人数の多いグループのことだよね？ オイラには、どの人も見分けが
 つかないんですけど？」
「うん、オイラも！ でも、よく見ると真ん中へんの人がかわいいとかあるらしいよ」

「え、そうなの？ じゃ、オイラも一緒に見てみよう！」
「うん、オイラも！ じゃあさ、ＡＫＢを見終わったら、金銀ボーヤさんに最後の挨拶してもらおうよ！」

「そうだね。例年どおり、そうしてもらおう。　あ！金ボーヤさんは、もう、伊達巻き食べちゃってる！」
「あ！銀ボーヤさんは、もう、昆布巻き食べちゃってる！」

「あ！ もう、おもちまで食べちゃってる！」
「しかも、磯部もちにして、チーズまで はさんじゃってる！」

「いいな、いいな！ 人間って、いいな～！」
「かなり、フライング気味だけどいいのかなー？」

「え？ お正月の予行練習？」
「ナニソレ？」

「あ！ 我らのジミーボーヤさんは、もう、コタツで寝ちゃってる！」
「え？ オイラが、子守唄を歌ったせいじゃないからね？」

「もしかしたら、一年の疲れが、どっと出ちゃったのかも？」
「それもあるかもしれないけど、ここ２、３日、大そうじで窓拭きを 頑張ってやってたからじゃない？」

「あ、それもあるね！ しかも、オイラたちも手伝ったんだよね！」
「うん。 オイラなんて、超 早起きして、まだ明るい夕方からすす払いしたんだから！」

「そうだね、昼夜逆転のコウモリボーヤには、つらかったかもね」
「うん。 ちょっと、寝不足気味デス…」


「あれ？ ＡＫＢの歌が終わったのに、全然 見終わる気配がないけど…？」
「あ！ マルモリダンス かわいい！」

「も、もしかして、いったん見だすとやめられなくなる、呪文でも出ているのかな？」
「えっ！ も、もしかして、例のあの人より、手ごわかったりするの？」

「こ、こうなったら、隠居のジーヤさんに、お願いしよう」
「それがね、ジーヤさんは、他局の歌番組を見て、早めにお風呂に入って、早めに寝ちゃうって…」

「あ、そして、明日の初詣に備えるわけね？」
「うん。 孫たちと行く初詣を、指おり数えて楽しみにしてたから」

「じゃあ、この際、ボビーボーヤさんに頼む？」
「ボビーボーヤさんなら、実家に帰っちゃったよ」

「え？ なんで？　あ、 いとこ っていう、設定だったっけ？」
「うん。 だから、お正月とお盆くらいは、実家に帰るんだって。 でも、明日の朝早くに戻って来て、
　初詣はみんなと一緒に行くんだって」

「へぇ。 なんだか、面倒くさいね？」
「うん。 オイラたちが知らない、ウラ設定があるらしいよ？」


「あれー？ 結局、紅白見終わっちゃったね？」
「うん。久しぶりに、紅組の優勝だったねぇ」

「あれー？ ゆく年くる年 まで、がっつり見ちゃってるよ？」
「うん。これを見ないと、新年になる心の準備ができないんだって」

「ねぇ？ 早くしないと、新年が来ちゃうよ？」
「じゃ、当初の予定どおり、オイラたちが最後のご挨拶をしよう！」

「では、皆さん、今年も心残りわずかですが、来年もよろしくお願いします！」
「え？ ”心” は、いらないんじゃない？ それとも、何か心残りあるの？」

「え？ 特にはないよ？ あ、執筆活動をしてみたかったなー」
「え？ それは意外！ どんな話を書きたいの？」

「もちろん、マタタビ（股旅）物！」
「猫だけに？」

「こんな感じですけど、来年もよろしくお願いします～」
「オイラたち、来年も出番があればいいけど…」