伝えたい言葉15 前編
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/14 10:49:28
一方、目の前で叶斗にバタンと、大きな音を立ててドアを閉められた雅也の方はというと…。
(これは、牽制されたかな?)
そうであれば綾奈よりもよほどそっちの方面には勘が働くのだろう。
「まぁ、それが普通かな?」
とも思う。何といっても綾奈はそっちの方面には疎いようだ。よもや本当にただの同僚だとは思ってはいないとは思うのだが、男として見られているというよりは良き相談相手と思われているような気がする。
雅也は右手で頭をぐしゃっとひとかきすると、自室へと足を向けた。
カチャ。
それは綾奈の部屋ではなくその隣の部屋の玄関が開いた音だ。
「―――雅也か。」
「圭兄。」
視線を合わせたのは主任の黒川だった。
「何だ?私に何か用なのか?こんなところに突っ立って?」
そう言われて初めて雅也は黒川の部屋の前に居ることに気が付いた。
「別に圭兄に用事はない。」
「―――澤井君、か?」
「……。」
「Consider your position and act.」
「Has nothing to do to me.」
黒川の英語に英語で答えると、雅也はここには用はないとばかりに自室に戻った。
それほど大きな声を出したわけではないが、やや感情が高ぶったのか頭に血が上っているようだ。
「―――分かってないわけじゃ、ない。」
そうぽつんと呟いた。
(圭兄の言うこともわかるさ。それでも…。)
どうしても綾奈の方に気がいってしまうのだ。
初めは、ただの相談相手だった。押しつぶされそうになるいろんなことを抱えていた雅也にとって、綾奈はまぶしいくらいに輝いて見えたのだ。
両親の突然の他界にくじけることなく、そして残された弟たちを心配する綾奈の姿にいっそ憧れさえ感じたのだ。
(俺には絶対できない事だ。)
その絆の深さに、思いやりの深さに興味をもち、そしてゆっくりと綾奈へと心が動いていったのだ。
「『Consider your position and act.』か。分かってるさ。圭兄のいう事はいつでも正しい事ぐらい。」
黒川は誰に対して正論を唱える。それこそ、会社の会長に対しても、だ。だが、実際は正論だけでは納得のいかないことだってあるのだ。それとも、黒川のように理性だけで出来ているような人間には、予定外のことなど起きないのかもしれない。
(分かっているさ。分かってはいるけど、それでも何もかもが圭兄の様にはいかないんだ!)
これが仮に黒川が同じような立場だったら、多分感情に流されることはないのかもしれない。彼のプライベートについて雅也は何も知らないが、自分の立場や利益を鑑みて女性と付き合っているのだろうか?

























いつもありがとうございます。
圭兄…。
これが出てきてやっとこさ、起承転結の承に入ったかな?って感じです。
黒川が兄弟か親戚か、何者なのか?
楽しみにしていただけると嬉しいです。
弟くんたちよりも、綾奈の鈍さが雅也の最大の敵かもです^^
すみません。謎だらけの話ですね。
ちゃんと最後にまとまるといいのですが(*ノェ・。)
後編は、火曜日くらいにUPの予定にしてます。
ちょっと期間が空きますが楽しみにしていただけると嬉しいですw
雅也さんの立場って・・・?
いろいろ疑問が出て来ましたよ(゜Д゜)
綾奈さんの鈍さと
弟くんたちの牽制
どちらも手ごわいですねー。
うぬ、黒川さんも雅也さんの気持ちに気付いてるんですね。
でも、黒川さんは反対っぽいし・・・
黒川さんにも意地悪(?)されたりしないですよね?
どうやって牙城を崩して行くんでしょうか?
雅也さん、頑張れです(^^;
また、続きを楽しみにしています☆