Nicotto Town



法則

歴史は「べき乗則」で動く
  マーク・ブキャナン 著
  水谷 淳 訳
    早川書房



「べき乗則」
というのは、
「規模が2倍になると
 発生する確率は4分の1になる」

というもの。

ただし、"2"という数字は例として出しただけで、
対象によって別々の値になる。

この法則は平たく言うと
「規模の大きい事が起きる確立は低い」
と、あまりに当たり前な事になってしまうが、
非均衡状態、つまり不安定になる直前の状態に
あるものの多くに成り立つ、というのがミソ。

例として挙げられているのは、
地震
森林火災
種の絶滅
株価の動き

など。

規模が大きいものと小さいものには原因の違い
はなく、どこまで影響範囲が広がったかの違い
のみ、だという。

不安になるのは「べき乗則」が成り立つものには
「周期」
「典型的な規模」

といものは存在せず、
予知ができない、という点。
特に地震に関しては間違っていて欲しいと思う。

ただ、逆に規模の小さいものがたくさん起きて
いれば、規模の大きなものになるほどの「力」は
蓄えられない、とも言える。
「適度なガス抜き」というのは人間の集団に対して
だけでなく、自然現象が相手でも効果的らしい。

ところで、原題は "Ubiquity"
辞書を開くと「偏在性」と載っている。

タイトルは”歴史は「べき乗則」で動く”だが、
最後の章で、その「可能性」について論じている
にすぎないので、日本語タイトルと内容に相違がある。

しかも一歩間違うと、トンデモ本として扱われかねない
タイトルだ。もう少しいいタイトルは考えられなかった
のだろうか。

SFの古典、アイザック・アシモフの「ファウンデーション」
シリーズでは、人類の未来を予測する「心理歴史学」
という理論が登場する。

読んでいるうちにその「心理歴史学」の話を連想したが、
あとがきで触れられていた。
自分の独自の考えでなかった事が判明し、残念。

アバター
2012/01/28 11:00
「禁断の市場」は読んだ事がないので、ネットの紹介記事をいくつか
読んだ程度ですが、(これに限らず)人は、あの手この手で未来を
予測しようとしているのだな、と感じました。

やはり、未来を予測できるのは「心理歴史学」だけ!?

が、それを考案するハリ・セルダンが生まれるのは銀河紀元11988年。
・・・銀河紀元が西暦で言うと何年から始まるか分かりませんが、当分、先の話ですね。
(↑「当分」が長すぎる)
アバター
2012/01/22 23:01
その本読みましたよ~(微笑)。
べき乗の法則、色々と実例を思い出しそうです~。
確か、昨年お亡くなりになった、SF界の巨匠、小松左京さんの作品、
「日本沈没」の中で、大規模な変動の出現を、事前に予測するのが難しい、
と述べている個所があったのを、思い出しました。

「禁断の市場」ベノワ・B・マンデルブロ、リチャード・L・ハドソン著
も、これと同じような不確実性を述べているけど、
違った見方をしているので、対比させると面白いですぅ~。



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