伝えたい言葉16 後編
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/31 17:54:26
「姉と知り合ったのが一年以上前というのはどういう事ですか?姉が会社に入社したのは数か月前ですけど?」
叶斗はいたって冷静に問いかけた。すぐにかっとなる直情型の諒一には任せれないと思ったのだろう。
「澤井さんがうちの会社に入社する前、夜にビルの清掃をしていた時だよ。」
それ以上詳しく言うつもりはないのか、そこで言葉を止めた。
「それで姉から僕たちの話を聞いたんですね?」
「あぁ。まぁ、僕の方が年上だからいろいろ相談を受けたんだよ。特に諒一くん、君の進路の事が今一番気にかかっているみたいだ。」
「それこそあんたには関係ないね。俺た家族の問題だ。」
「そうかもしれない。でも、何故澤井さんは短大を辞めてまで仕事を掛け持ちして、君に大学に行ってほしいのか、一度でも考えたことはあるかい?」
「……。」
「確かに、澤井さんの行動は早計だったかもしれない。でも、そうやってまで君を大学に行かせてあげたいと思ったのは、君が将来を見つめたビジョンをちゃんと持っていたからじゃないかな?」
「将来のビジョン?」
「君は医者になりたいんだろう?君がちゃんと将来を見据えて勉強をしていたからこそ、澤井さんは自分の夢より君の夢を優先させとぁんじゃないかな。社会人になったら、仕事に追われるからね。勉強と二足のわらじは厳しいと思うよ。ましてや、医者になりたいならなおさらね。」
「知った風なことを言うな!」
大声で怒鳴った諒一に、雅也は淡々と言葉を続ける。
「それでも納得がいかないなら君が医者になった後で、澤井さんが夢をかなえられるように援助すればいいんじゃないかな?」
「え?」
「!!」
「君たち二人が夢をかなえて社会人になったとき、澤井さんがまだその夢をかなえたいと思っていたら、その時に助けとなれればいいんじゃないかな?もし君が医者になることを諦めて高校卒業後就職したところで、澤井さんの夢をかなえる助けにはなれないと思うよ。それって、澤井さんが中退したことが全く無駄になると思わないか?」
その雅也の言葉は、諒一の中で大きな衝撃となった。
(俺が将来、アヤの夢をかなえる手助けになる?)
今まで一度も思いつかなかったことだった。
「―――とまぁ、これが年長者としての僕の意見だよ。君たちはこんな話を聞きに来た訳じゃないよね?」
先ほどの話で黙り込んだ諒一に代わって、叶斗が雅也に問いかけた。
「えぇ。僕たちは龍野さんが姉をどう思っているのかお伺いに来ました。」
「だろうね。一つ言えることは、なんとも思っていない異性を部屋に招き入れるほど僕は暇じゃないよ。」
「では、龍野さんは姉のことを?」
「せっかく来てくれたのに悪いけど、僕が澤井さんどう思っているのかを一番最初に伝えるべきなのは君たちじゃない。」
その言葉だけで十分だろう。雅也が綾奈をどう思っているのか、それを推察できない二人ではなかった。
「あなたが姉をどう思っていようとも、姉は多分、あなたの気持ちに気づいていないと思いますよ。」
叶斗の言葉に雅也は苦笑を返すしかない。言われるまでもなく、綾奈にとって雅也は良き相談相手だ。それは、出逢った頃と変わっていない。
その苦笑をどうとらえたのか、諒一と叶斗は視線を交わし、席を立つ。
「では、俺たちそろそろ帰ります。書置き一枚で出てきてるんで、アヤが心配すると思うので。」
「すみませんでした。突然お邪魔して。」
二人はぺこっと雅也に頭を下げ、雅也の部屋から辞した。そして当たり前のように綾奈の待つ部屋へと帰っていった。

























了解ですbb
応募遅くなってしまいましたらごめんなさい;;
すごいですか?
うわてですか??
やった~っ。
はい、予定ではそんなことになるはずのなかった17話ですㆀ
とりあえず、まだPCに打ち込めてないのでどうなることかと
思ってます。
弟くんたちはどう思ったんでしょうか??
そ、それもそのうち(多分)出てくるはずです。
いつもコメントありがとうございますღ
弟くんたちは返す言葉がないですね。
すべてにおいてうわてw
でも、弟くんたちは
雅也さんのおかげで
目からうろこではないでしょうか?
これがきっかけになって雅也さんに一目置くことになるのか。
はたまた逆で余計にいけすかないヤツになってしまうのか。
波乱の17話・・・ですよね?
楽しみにしています☆