Nicotto Town



2月期小題 【チョコレート/「名残り」】

宮殿は銃声と大砲の音に溢れていた……

族長ショコルは、高台に築かれた屋敷から滅び行く王国を眺めていた。同じく屋敷の周囲でも、配下の一族と奴隷たちが群を成して見つめていた。
1521年8月13日、アステカ王国最後の瞬間だった。

ショコルには、アステカ王国への哀悼も悲嘆もなかった。それどころか、大きな期待に胸を高鳴らせていた。アステカは滅んでもカカオ交易は終わらない。今後はスペインとの直接交易によってますますカカオ豆が流通することになる。それがマヤ族の再興につながると考えていたからだ。

「アトル姫、これからは農業と灌漑を司ってきた我々マヤ族の時代だ。」
言い聞かせるように呟いたその言葉には、低いながらも野心に満ちた力強さがあった。

しかし、妻アトルは、黒雲を上げるティオティワカンの姿に言い知れない不安を抱いていた。『アステカはたしかに滅ぶ。だが、それがマヤの隆盛につながるのか…』と。

そして現代、マヤの暦は12月21日冬至をもって終わりを告げようとしていた。
ショコルが受け継いだ農業も、アトルが受け継いだ灌漑事業も国を再興するものに成り得なかった。マヤは、メ
キシコの歴史の中にその名を残すのみとなっている。

それでも、”ショコル・アトル”という名称は周知のものとなった。”熱い・飲み物”という意味の「チョコレート」という名称として……

☆☆ おしまい ☆☆

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2012/02/08 14:04
そういうことがあったのですか。
面白いですね^^
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2012/02/04 11:59
おおお^^

ここからが作品でしたか^^

あたたかいココアを入れたくなりました^^♪

お湯を沸かしてきますです。

すたすたすたすた・・・。(←キッチンへ向かう足音)
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2012/02/04 09:53
ええー、マヤ暦って冬至で終わっちゃうんですね;;;
ショコル・アトル♪美味しそうなホットチョコレート♥
飲みたいです^^
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2012/02/04 00:04
アステカの滅亡に、マヤの再興を夢見た族長・・・

歴史ロマンを感じました。
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2012/02/03 22:30
アステカの王様はココアを一日二十杯以上召し上がっていたとのことは有名ですよね。
アステカの王族はスペイン公爵。捨扶持をもらってマドリードに近いところに城があります。
インカの王族は侯爵。
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2012/02/03 20:06
チョコレートの語源と、マヤ歴の終わりをネタにした終末説を合成したところが面白いですね。
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2012/02/03 15:54
アステカ王国滅亡の史実に、チョコレートの語源と考えられるショコル(熱いor苦い)・アトル(水・飲み物)の単語から想像して作ってみました。
ノストラダムスに続くマヤ暦の終焉が今年の冬至(12月21日)なのでちょっと引っ掛けてみました。(^0^)
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2012/02/03 10:28
 マヤ暦を想像してしまう、お話ですね。
 2012年世界は滅ぶ、でしたっけ。
 メキシコの歴史にだけ残った名は、果たして不幸だったのか。それとも幸せだったのか。
 永遠のテーマのようです。
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2012/02/03 01:29
舞台が壮大でロマンチック(>▽<)

これって創作なのですよね??
一瞬、史実から抜き出したのかと思ってしまいました(´▽`)
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2012/02/03 01:27
これ、実話なんですか?
寡聞にして知らない。
アステカの星もこうして滅びたのか!



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