世界最悪企業賞 東電投票直前に1位から2位に
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- 2012/02/08 16:01:21
「世界最悪企業賞」、東電は2位―
―スティグリッツ教授も「企業はCSRの徹底を」 —
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世界で最も社会的に無責任な企業を選ぶ
「パブリック・アイ・アワード(the Public Eye Awards)」
(通称:世界最悪企業賞)の結果が1月27日スイス・ダボスで開かれている
「世界経済フォーラム」年次総会の会場で発表された。
この不名誉な賞を受賞したのは、ヴァーレ社(ブラジル)。
総投票数88766票のうち、25041票を獲得した。
同社は、世界第2位の採鉱会社で、世界最大の鉄鉱石の生産業者だ。
同社は過去60年間、人権侵害と自然破壊を繰り返して行なってきた。
同社が、アマゾンの熱帯雨林の中心部に建設中のベロ・モンテ・ダムが完成すれば、
約4万人の現地住民が強制避難を強いられ、
生態系にも深刻な影響をもたらすことを理由にノミネートされていた。
この賞は、誰でもインターネットで投票できるシステムで、
東京電力は、24245票で2位になった。
東電は今年の投票レースでずっとトップを走っていたが、
投票直前になってヴァーレ票が急追し、結局2位になった。
この経緯について「なんらかの組織票が動いたのではないか」と指摘する声もある。
3位には19014票のサムスン社(韓国)が続いた。
企画・運営を手がけたNGOベルン・デクラレーションのフランソワ・マイエンバーグ氏は
「毎年、この賞にノミネートされる企業による人権侵害や環境破壊は到底、看過できない。
私たちは、人権団体、環境団体など50団体が構成する
『国境なき正義』同盟の関係者と力をあわせ、
企業が社会的責任を遵守するように政府に訴えていく」と語った。
特別ゲストとして招かれたノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授は
「この危機的状況を乗り越えるために重要なことは2つある。
まずは、政府が様々な社会問題に規制を設けることだ」と指摘した。
「もう1つは、企業も個人も『自己利益』に対する考えを拡大する必要がある。
『持つ者』と『持たざる者』の経済格差を是正しなければ、
この社会は崩壊してしまう。
それには、企業が社会的責任を果たすことが不可欠だ」と語り、
世界の現状に対し強い警鐘を鳴らした。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)