王の資格2
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/31 23:14:22
胸に響く、その言葉が終わると、ボクとニナの身体が金色に輝き出した。
殺意を放っていた黒騎士から殺意は消え、何故か憑き物が落ちたような顔をしている。
着地点にいた黒騎士二人は、何かやることを思い出したかのように、お互いの指先を剣先で傷つけ、何やらわからない文字を床に書き出した。床が青白く光り出す。弱まっていたはずの精霊力が突如戻る。
着地点にいた黒騎士の二人は、自ら剣をおさめ、その場を離れ、跪いてから頭を下げた。さらに周囲にいた黒騎士たちもそれに習って行く。
ボクたちは星の船の甲板へ「ゆっくり」と降り立った。
黒騎士たちは交互に顔を見合わせ、話し合っている。
「王が舞い降りられた……」
黒騎士たちは跪き、頭を下げた。
星の船の甲板は静寂に包まれる。
そんな静寂の中、どたどたと、走ってくる騒がしい音が聞こえてくる。
「何をしている!」と、懐かしい声を聞く。
ボクはゆっくりと、その声の方を振り向いた。
ヨシュアだ。ボクの元領主。
黒い仮面を被ったヨシュアがいる。黒紫の禍々しいオーラを身に纏い、漆黒のローブを来た「魔王」と呼ばれているはずのヨシュアが。
黒い仮面に操られているヨシュア…。
今、外してあげるよ。
そう、思い手を伸ばしてみた。
閉じていた手を開き、ヨシュアに向かってかかげてみた。
ヨシュアもわからない言葉を唱え、魔力で攻撃をしてくる。
黒紫の魔力の攻撃は、ボクの手に吸収され、さらにヨシュアの魔力を吸い続ける。
ヨシュアが突然苦しみ出す。
「やめろぉーーーーー。力が、われの力が奪われていく。こんな馬鹿な。われは魔の頂点に立ったはず。何故そのわれの力が奪われる!」
ヨシュアは空間転移の魔方陣を描き、転移した。
ボクたちはますます魔力が…いや、精霊力が…???
何だ???この力は???
何と呼べばいいんだ。
無限にあふれ出るこのエネルギーは???
ニナの視線を感じてボクはニナを見た。
「愛と呼べばいいのよ」と、ニナは言う。
愛か。あたたかい。
「私とあなたが愛に目覚めたから偽りの王は逃げるしかないわよね」
「……」何故か複雑な気分だった。
ヨシュアを助けるために戦ってきた。そのヨシュアに逃げられた。
「偽りの王…」
「ルゥ…混乱しているのね」
「うん。混乱している…。……王とは何だろう?」
「王とは国において、国の未来を任せることのできる人よ」
「恐怖と魔力だけで支配してきたヨシュアはそうではないと」
「尊敬されてないでしょ」
「ああ、わかる…」
「ルゥ…あなたには「やさしさ」がある。王は「やさしさ」を持つ人なのよ」
「そうだね…ニナのお父さんはそうだった。ボクらを生かすために自らの命を捧げてくれた。ありがたかった」
「ルゥ」と、ニナは抱きついてきた。
ボクはニナを受け止め、空を見上げた。
スコットが手を振っている。
ギルバードは笑っている。
南西の島にある地下神殿に行く前に奇跡の町「ガブリエル」に戻ることにした。
そう、胸の中で決意した。
今は…そんなことよりもニナの柔らかさを肌で感じていたかった。
優しさと愛って大事だって思わせてくれました(*^。^*)
この話読んだらぐっすり寝れそうですzz
やっぱ最後は愛しかないのかなと」☆
愛でこの世を離れたら幸せなのかなと。今日暗いテレビをみて落ち込んでました。
リリルさんの小説に救われましたww
ありがとうww
『愛』はあったかいんよねっヽ(*^ー^)人(^ー^*)ノ
いよいよクライマックスかぁ…
次を楽しみにしとくねっ(≧∇≦)/
この小説もいよいよクライマックス。
ちゃんと終わらせることができるかなぁって。
思っています。
お読みいただきありがとうございました。
あい