レインドロップ~中編~
- カテゴリ:自作小説
- 2009/06/14 00:18:51
レインはしずくの手提げを取り上げて、レインドロップをあてた。すると、レインドロップから細い光が出てきて、川の方へ伸びた。
「マズイッ!しずくのマスコット、俺たちの国に行っちまったみたいだ・・・。」
「レインさんたちの国って?」
「俺のような水の精霊たちの住む国だ。この川は今、水の王国(ウォーターキングダム)とつながっている。これは取りに行くしかねえな。」
「じ、じゃあ、私も行きます!不思議な世界があるなんてすごい!行ってみたい!」
「はぁ!?」
好奇心旺盛なしずくは、ウォーターキングダムに行ってみたいと思ったのだ。
もちろん最初はレインに止められたが、しずくはひかないので、レインはついに折れた。
「まったく、君は変わっているな。普通なら怖いって思うだろうに。」
「そうですか?」
「とにかく行くぞ!離れないように、手をつなぐ。離すなよ。」
「は、はい。」
手をつないだ時、また(ドキッ)とした。この感じがなんなのか、しずくにもよくわからなかった。そして、二人は川へ飛び込んだ。
一瞬あたりが真っ暗になった。そして次の瞬間見たことのない光景が目の前に広がった。
「うわ~きれ~!」
その光景にしずくは感動した。
そこは古いヨーロッパのお城の中の様な所だ。赤やピンクの花があっちこっちに飾られていて、白い柱にもその花とつるが巻きついている。
目の前には噴水があり、そこ以外にも、滝のように水が上から出ている所、川のように水が流れているところもあり、まさに水のお城だ。
「すっごーい!ここがウォーターキングダムなんですか?」
「そうだ。ここは水の出入り口(ウォーターゲート)。人間界と水の王国(ウォーターキングダム)をつなぐ出入り口だ。」
「あ、こっちの扉はなんだろう?」
「おいっ、マスコットを探しに来ただけだろ?あんまりウロチョロするなって。」
「は、はーい・・・。」
しずくはレインと一緒にマスコットを探し始めた。
「あっ、これじゃないのか?この水の中の。」
レインが指さした水の中に、手足が茶色で、ボディーは黄色いチェックのくまがいた。
「あ、ビリーだ~!よかった、見つかって。」
「名前までつけているのか?」
「もともとついているんです。365日のバースデーテディって言って、ビリーは私と同じ4月29日生まれのテディなんですよ。」
「ふ~ん。人間の世界にはそういう物があるのか。」
すぐにしずくはビリーを取り出した。濡れていたので、レインが乾かしてくれた。
よく見ると、その水の中にはたくさんのレインドロップがあった。しかし、どのレインドロップにも色がついていなかった。
「これはレインドロップを作る湖なんだ。持ち主が使う力によって様々な色に変わるから、まだ持ち主のないレインドロップはすべて透明ってわけ。」
「へぇ~。」
「じゃあ、マスコット見つかったことだし、人間界に返すぞ。」
「はい。あっ!危ない、レインさん!」
「えっ!?」
365日のバースデーテディってさぁ、チョコのおまけ?
だとしたら、私も持ってるよ。^^?
水滴?レインドロップと、γ線のイメージが重なって
レインドロップに色が付くってのが、
YUKIEさんの研究への愛情を感じますよ。
続き^^楽しみぃ~~~^^☆