Nicotto Town


ピーターパンとさようなら*


飴玉少女。


 お気に入りの哀しみを、ひとつ選んで口に含んだ
 
 誰のものでもない哀しみ
 
 忘れ去られた、過去の哀しみ



浄化された哀しみは、小さくて綺麗な飴玉となるのよ

私はそれを、食べるのが仕事

世界中の哀しみを、一つ一つ食べていくの



(貴方がはやく、元気になりますように)



いただきますの代わりに唱えて、そぅっと瞼を閉じるの

そうすると、その哀しみに関する記憶が、私の中に入ってくるわ


ねぇ、しってる?

飴玉を食べるとね、身体中に哀しみが溢れてくるのよ

その時に零れた涙の行方を、貴方は知ってる?

零れた私の涙はね、地上へと降り注ぐ雨になるの

辛かった貴方の全てを包みこんであげられるくらいの、優しい優しい雨よ



だからね、笑って?

私、貴方が笑ってくれたら元気になるわ

なぜだかは知らないけどね、貴方は私の『大切』なの


だから、ねぇ

そんな顔しないでちょうだい






________________________________✽


『文学少女シリーズ』5巻までの遠子先輩のイメージを元に書きました。
最近、再熱しました。
(読んでる本にすごく影響を受ける人←)

「哀しくてたまらないときに、綺麗に笑える人になりたい」
という遠子先輩に、すごく憧れます。

アバター
2012/04/21 12:59
⇒☦ダヤン☦ 様。

大きさと形はみんな同じで、色と味と飴がとける時間が違うイメージです。
でも、どれも透明で綺麗なんです。

⇒✝心音 零菜✝ 様。

零菜の悲しみもきっと、飴玉になってるよ。
飴がとけてなくなったら、零菜の心の哀しみもなくなるの。
アバター
2012/04/03 02:17
今あたしが気分堕ちまくってる哀しみは
飴玉になってるのかな

その飴玉は
だれが口に含んでいるのかな
アバター
2012/04/02 23:55
哀しみの飴玉、一度味わってみたいです♫
一粒一粒味が違うんだろうな。



Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.