Nicotto Town



体験談

「本が好き」http://www.honzuki.jp/
より献本頂きました。感謝。

著者が経験した終戦の日から、小説一本でやっていく決心をし、
上京するまでの体験談を綴ったもの。

タイトルの「瓦礫の中の幸福論」より、サブタイトルの「わたしが
体験した戦後」
の方が内容を的確に現している。
ただし、大学入学以降の話は臓器移植の話が主になってくるので、
「戦後」という言葉からイメージする内容とは多少のズレを感じてしまう。

日本が太平洋戦争に負けた後からの事が学校で教えられていない、
ということから自分が体験した事のみではあるが、戦後の事を伝えたい、
という思いから執筆した、と書かれている。

たしかに学校では
「試験に出ない」
「時間がない」
とかいう理由で駆け足で駆け抜けてしまう。
(時には、そもそも授業で扱わないことも)

自分の意志で、この頃の事を知りたい、と思って、本や映画などを
漁らなければ、知る機会はない。
ひどい例では「日本がアメリカと戦争して負けた」という事すら
知らない人もいたりするのは、本人の不勉強以前にこういう事情が
あるのかもしれない。

著者は当時、札幌近郊に住んでいたため、他の都市部のように
爆撃で焼け出されるような経験はなく、どこかのんびりしたところ
があったという。
ただ敵機が真上に来ても、迎え撃つことさえできない様子を見て、
肌に感じる実感として「この戦争は負ける」と感じていたらしい。

どんなに言いつくろっても、事実を完全に覆いつくすことは不可能、
という事は、お偉いさん達には分からないのだろうか。

そう言えば最近、同じ事が言えそうなニュースを聞いたような気がする。

話は変わってしまうが、他に感じたのは「人々のたくましさ」
当然、と言えば当然だが、「敗戦」という事は横に置いておいて、
「生きる」ために使えるものは使おう、とする意思。
自分にそんなたくましさがあるだろうか、と疑問を覚える。

美化も卑下も必要ないが、戦後の事をもう少し知っておく必要が
ありそう、と思った。

アバター
2012/04/08 20:57
戦争を知らない人ほど、過激な意見に賛同しやすい
ような感じがします。
(戦争を知らない、という点では自分も一緒ですが)

思い出したくもない人もいるかもしれませんが、
生の声は残しておかないと、聞けるものも聞けなく
なってしまいますね。
アバター
2012/04/08 11:12
ワタクシメは、戦前~戦後の様子は、
ウチのお祖母ちゃんから、色々と聞きました。
貴重な生の体験は、残していくべき記録ですよね。




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