レインドロップ~後編~
- カテゴリ:自作小説
- 2009/06/15 23:04:19
しずくがすぐさまレインの前に出ると
(バシャッ!)
「きゃっ!」
「しずくっ!」
「ゲホッゲホッゲホッ!」
しずくは泥水をひかぶってしまった。口の中にも入ってしまい、思い切り咳き込んだ。
「このガキッ!さっきの人間だな!また邪魔しやがって!」
「お前はさっきの!」
泥水を放ったのは、どうやらさっき川でしずくを襲った精霊のようだ。
「くそっ!泥水は精霊には重症になるが、人間にはほとんど害がねえのか。ならばこの攻撃でっ!」
「させるかー!」
すぐさまレインが水鉄砲を放った。手から太い水の管が勢いよく飛び出すような光景だ。
「ぎゃ~~~!」
水鉄砲は精霊に直撃し、その精霊のつけていた茶色いレインドロップが粉々に砕け、精霊はその場に倒れた。
「これで、こいつはしばらく力が使えなくなった。後で牢屋にぶちこまねえとだな。」
レインは、手から細い水を出した。それは精霊の体をグルグル巻きにした。水のロープである。
「ふ~っ。おっと、ありがとうなしずく、助けてくれて。あの攻撃は俺にとっては本当に危なかったんだ。」
「あ、い、いえ・・・。」
お礼を言われて妙に照れくさくなった。顔が熱くなるのを感じた。
「そうだ、お礼に。」
そう言うと、レインはさっきの湖からレインドロップを取り出した。その瞬間に、透明だったレインドロップがレインの物と同じ色になった。それにチェーンをつけ、しずくの首にかけた。
「似合うじゃん。アクセサリーとして使っていいぞ。」
「え?い、いいんですか?」
「ああ。ま、雨が降ったら、俺のこと思い出してくれよ。」
と、レインは微笑みまた握手してきた。(ドクンッ)さっきよりいっそう強く、心臓がなるのを感じた。
「じゃあな、元気でな、しずく。」
次の瞬間、あたりが真っ暗になった。
気がつくと、さっきの川沿いにいた。さっきレインが止めたはずの雨がまた降っていた。
さっき泥水をかぶったはずなのに、体は濡れていないし、服も汚れていなかった。
「夢・・・だったのかなぁ・・・。」
だがよく見ると、さっきのレインドロップを首に下げていた。レインのことを思い出し、なんだかくすぐったいような気持ちになった。
あれから7年。その後、レインと会うことはなかった。だが、レインのことは忘れていない。レインドロップは、今でも大切に身につけている。
時々、友人にペンダントのことを聞かれる。
「ねえ、その綺麗なペンダント、何?」
しずくは決まってこう答えるのだった。
「私の初恋の人からのプレゼントだよ。」
私も、しずくが「ドクンッ」としたとき・・・どきっとしちゃったぁ~~~^^
いいなぁ~
初恋だぁ~
綺麗なペンダントヘッドになっているレインドロップの色は
読者、十人十色ですね。
私は、レインボウカラーきらきら(別名 玉虫色?)だと思いました。