Nicotto Town



隠喩!?

アタゴオル 7
 アタゴオル玉手箱篇
  ますむらひろし
   スコラ漫画文庫


この巻の中の「キリエラ戦記」についての感想。

大きな力を持つ「キリエラ」を巡り、ヒデヨシ達と
銀波船長率いる海賊たちが繰り広げる戦いが
描かれている。

他の一話完結の話と比べると、ブラックな内容。
ダークファンタジーは、結構好きなジャンルなので、
「キリエラ戦記」のような話は割りと好み。

これの前に読んだのが、
アタゴオル外伝 ギルドマ
http://randokukanso.blog79.fc2.com/blog-entry-191.html 
で、こちらもブラックな内容だったが、ヒデヨシ達と
敵対する相手は「人間」ではなかったため、寓話的
な色彩が強かった。

が、キリエラ戦記では、敵対するのは銀波船長という
「人間」のため、リアルさ、というか生々しさを強く
感じてしまう。

特に印象的なのは、「キリエラ」と双璧をなす
網樹(もうじゅ)」に取り込まれた後の銀波船長と
テンプラのやりとり。

銀波船長:(大量の土や植物を食い荒らし、独自の
        生命体を生み出す「網樹」を指して)
       「網樹こそ文明そのものなのさ
テンプラ :「自然を食い荒らす網樹は必ず滅んでしまうぞ」
銀波船長:「この星の自然を食い尽くしても、網樹は
       そこで滅ぶ程、未熟な文明じゃないんだ。
       この星を覆いつくした網樹を母体としながら、
       新しい生命循環を続けていくのさ」
テンプラ:「自然が消えても生き続けるなんて、
       まるで死の文明だな」
銀波船長:「そうとも・・・。永遠に続く死の文明なのさ」

最近のニュースなどの影響を受けた上での解釈だが、
「網樹」は、どうしても「アレ」の事を連想させる。

「網樹」の動力源(らしい)ものは「熱の光
この「熱の光」、中身は誰も知らないが、普段は街の
動力源として使っているもの。

ご丁寧に、このエネルギーを「兵器」として使えば、
一発で山を吹き飛ばしてしまうほどの威力を持って
いる、という設定。

そして「キリエラ」は、物質を形作る「旋律」を操る
能力を持つハーモニカ。

「キリエラ」
「網樹」
「熱の光」

の3つは、同じ文明が作り出したもので、その文明
自身は大昔にすでに滅んでいる。

やはり「アレ」の隠喩、としか思えない。

ラストに救いはあるものの、いつになくブラックな内容だった。
(「アタゴオル」を全巻、読んだわけではないが)

アバター
2012/05/02 23:02
コントロールできると思い込んで、片腕まるごと食われてから
ようやく「危ない」という事に気がついたりするんですよね。
しかも時間がたつと忘れたり・・・
アバター
2012/05/02 09:12
コントロールできないくせに大きな力を手に入れて喜んだりして・・・人間っておバカだな



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