新ドラゴン日誌 8
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/21 12:13:11
洞窟の入り口は人が立って入れるほどの広さだったが、奥に行くにしたがって徐々に大きな空間が現れた。
王子と王女は恐る恐る水滴が滴る洞窟の一番奥へと入っていった。
どれほど歩いたか、突然ぽっかりと空いた空間が、二人の前に現れた。
そこは、大きな湖だった。
天井に空いた穴から月の光が差し込み、怪しく光る水面のその奥に、何やら金色に光るものが落ちている。
「お姉さん、あれがきっとお宝っていうものなんだよね」
「お宝って何?」
「…?」
王女はお宝に向かって一歩踏み出した。
水は浅かったが、ぐしゃっとした嫌な感触がした。
目を細めてみると水中に何か動くものの気配がした。
「やだぁ~」
と王女は足を引いた。
足首に何やら汚い毛むくじゃらなものが絡み付いている。
王女は必死でそれを振り払うと、洞窟の壁面にしがみついて湖の向こう岸へ渡った。
そこには宝石や金貨がいっぱい転がっていた。
宝石を手に取ると、王女は頭上の王子に聞いた。
「これが、お宝なの?」
「う~ん、わかんない。そんなもの僕たちが生まれたお城にいっぱい転がってたよね」
「うん、蹴っ飛ばして遊んでたよね」
「きっとどこかに埋まってるんだよ」
「そうね!掘ってみようか!」
二人は力を合わせて地面を掘りだした。
見る見るうちに掘り上げられた土は、宝石や金貨やその他諸々のお宝を埋め尽くした。
「あっ!何かあった!」
王子はそう叫ぶと土の中から何やら動くものを取り出して王女の手のひらに置いた。
泥んこの、ぞわぞわと蠢く足が異常に多い幼虫らしきものを手渡されたきれい好きの王女は、
「きゃー!」
と、叫んでしりもちをつき湖に転がり落ちた。
ずぶ濡れの王女は、恨みがましい目で王子を睨んで立ち上がった。
「…ん?きゃーなによこれ!!??いやぁ~!」
またしても王女の足に何か得体のしれないものが絡み付いた。
じたばたと暴れた王女が、ようやく足から振り払って岸に上がると、
「お姉さん、あれ見て!」
と、王子が洞窟の天井の穴を指さした。
月が天空にあった。
「あらやだ!もうこんな時間」
「お姉さん、大変だよ!!もしも身体が元の大きさに戻ったら、ここから出られなくなっちゃうよ!」
「大変!!どうしよう!?」
二人は大慌てで元来た道を引き返そうとして湖に飛び込んだ。
足に何か嫌な感触がしたが、そんなことはどうでもよくなった。
突然王女の姿がゆがみ始めたのだ。
「お姉さん!」
「…どうしよう!やだぁ~!ピーちゃん!!」
恐ろしいほどの光が辺りを照らした。
「やだ!どうしよう!!!???」
元の姿に戻った王女と王子は湖の上を飛びながら喚き散らした。
その声に共鳴するように、天井の穴の淵ががぼろぼろと崩落し始めた。
「あそこよ!」
王女がその大きな体で体当たりすると、大きなひびが入った。
「お姉さん、もう一回!」
王女は、力いっぱい天井に体当たりした。
ばりばりばりと大きな音が、洞窟の中に響き渡り、天井が崩落した。
石と土煙を浴びながら二匹は外に飛び出した
「よかった~!!」
「よかった~お姉さん!!」
やみくもに月明かりの下を舞うドラゴン二匹は、やけにうれしそうだった。
「キー!、何やってんだお前たち!バカか!?」
ピーちゃんが怒鳴る声さえ二匹には幸せに聞こえた。
もうポチでもチビでもいいから、みなわのところに戻りたかった。
「みなわ、怒るよね~♪」
「でも、僕お腹空いた~!」
後ろ脚に何やら毛むくじゃらの汚らしい濡れた物体をぶら下げて王女はピーちゃんに、
「もうわらしべはこりごりだから、早く帰ろう!」と言った。
毛むくじゃらの汚らしいもの…?
ドラゴンたちの努力は、報われるのでしょうか(笑)
ピーちゃんはよく探し当てたものだと思います(笑)
毛むくじゃらの正体は…エピローグで^^v
それは最後のお楽しみ(^_-)-☆です!
ドラゴンたちの初体験は、とっても大変だったんですよね~^^
彼らの努力は…どうなるのやら^^v
もうあと2回でお終いです^^
何になったんかこうご期待^^v
バスは乗ったらすぐに降ろされるので、なかなかシャッターチャンスが無くて困りました^^
確かに、一緒に乗ってる女性、目をそらしてますね~^^:
それにしても「毛むくじゃらの~」って何だろう??? 気になる~~♪^^
いい所に来ますね^^
で、毛むくじゃらも物体とは、????
ポチでもチビでもいいから・・・ですか
わらしべって難しいですね^^;
毛むくじゃらの汚らしい濡れた物体って何かしら?
ピーちゃんと再会できたのは何よりですが、結局何も手に入らず^^;
(あ、ピーちゃんはあの男に追い付くこと出来たのかしらん?)
毛むくじゃら…気になりますね~(^ー^)
続き楽しみにしてます♡
一緒に乗り合わせている女性が、目を合わせないように視線をそらしてるような気がするが(笑)
毛むくじゃらって何だろう~?結末が楽しみです♪