Nicotto Town


おうむたんの毒舌日記とぼうぼうのぼやき


呪縛の家 加奈子21才~姉との対決(1)(改定)

祖母の死後、加奈子は家に引きこもることが多くなった。最低限、大学に通い卒業。
しかし。加奈子は教授が強く推薦するからという案件にも首を縦に振らずに、無職で完全に引きこもって社会と断絶した。

社会なんて私を裏切ってばかりいる、加奈子は思う。精神的な虐待を受けている姉妹を社会は助けてはくれなかった。それどころか悲しみのヒロインとしして祖母を礼賛した。
就職した姉は何度も「就職した方がいい、使えるコネならいくらでも使う」と言ってきた。就職して舞子は少し変わったと、加奈子は感じていた。抱き合って支えあった幼い頃の姉とは何かが違ってきていた。
決定的な決裂は舞子の結婚だった。お姉ちゃんまで私を捨てるとはねー加奈子にとって一番ショックだったのは舞子の裏切りだった。信用したら裏切られるだけだ。孤独の闇に身を沈めるのが一番のやすらぎになっていた。

姉が結婚後、初めて電話してきたときのオドオドした声に嘲り笑いそうな自分をこらえるのに必死だった。
「元気だった?」
問う姉の後ろめたさが愉快だった。
「生きているから電話に出てるんじゃないかしら?」
独りでこの家と過ごした加奈子は、驚くほど姉に強い態度をしめすことができた。
「就活は?」
愚問にもほどがある。
「この家の維持を押し付けられて、更に仕事を見つけろというわけ?」
姉が結婚して出ていったこの家との共生に折り合いをようやくつけたというのに?孤独に苛まれて、腕に何本も傷をつけたことを知らない姉に発言権などない。
「…」
電話の向こうで絶句する姉が目に見えるようだった。
「ここの維持さえできれば、お姉ちゃんの心配なんて無用だわ」
加奈子は自分の発した言葉に一瞬たじろいだ。なんて傲慢な響きなのだろう。しかし、同時に思うー孤独と闇が私をここまで強靭にしたのだと。
姉は絶句したまま何も語らない。加奈子が求めてるものはわかってるはずなのにーいやだからこそ何も言えないのだ。
「お姉ちゃんの部屋はもう必要ないね」
加奈子は勝ち誇って宣言した。裏切り者は許すなー心の奥にお祖母様の声が響く。
「…元気でね」
お姉ちゃんが絞りだすように言った言葉のなんと軽く無責任なこと!加奈子はケラケラ笑い出して答えた
「おねえちゃんこそ、お元気で」
加奈子はこの瞬間、姉と決別した。
そして翌日、姉の「元」部屋に赤いペンキをぶちまけた。
「結婚報告の時のお姉ちゃんは赤くなっていた」
仁王立ちで姉の部屋にペンキをぶちまけた加奈子は、誇らしげに笑い続けた…。

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2012/06/02 23:25
姉と妹の心の動きが良くわかります。
二人はどうなるのでしょう・・・
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2012/06/02 23:01
うんうんw 思春期の子が、異性と付き合うんだけど、回りと上手く調整できない、これは姉ちゃん、、、そんな姉ちゃんに嫉妬する妹。この関係が解り易くなりました^^
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2012/06/02 21:04
前半部分、時間軸が変だったのと、非常に読みづらかったので
書き換えました

読みづらい状態で読んでくださった方、読んでくれてありがとうございます
そして、読みづらすぎてすみませんでした。
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2012/06/02 09:52
壮絶な世界ですね。
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2012/06/02 09:45
狂気の始まり。加奈子が家に同化されるお話はもう一回ありそw 赤い、、、百恵ちゃん、宇津井健か?www



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