父の日・・・
ゴッド・ファーザーがお喜びになる物言うたら、何かのう？
やっぱしアレかのう？
取りあえず、探りを入れてみる事にした。

・・・

「よく来てくれた、わが息子かいじんよ。
　ジュリオの件は、ご苦労だったな」

ゴッド・ファーザーが言った。

「（血の掟）は守られなければなりません」

僕は答えた。

「ファミリーの中から、裏切り者が出た事は、私にとっても
　悲しい事だった」

「ご心痛、お察しします。マイ・ファーザー・・・」

「わが息子かいじんよ・・・」

ゴッド・ファーザーが言った。

「ところで今日は、聞きたい事があるんじゃけどのう」

「どげな話ですかいのう？マイ・ファーザー」

「・・・ミッキーとキティちゃんは、あんまし仲が良う無いんかのう？」

僕はそれについてしばらく考えてみた。

「ほうですのう・・・まあ猫とネズミの事ですけえ、ほうかも知れん
　ですのう。」

僕がそう答えると、ゴッド・ファーザーは、背もたれに身を沈め
天井に向かって大きなため息をついた。

「わが息子かいじんよ・・・」

ゴッド・ファーザーが言った。

「それじゃったら、ミッキーはドラちゃんとも仲が良う無いんかのう？」

僕はそれについてしばらく考えてみた。

「ほうですのう・・・ドラちゃんはネズミを嫌うとる言う話は有名ですけん。
　・・・裏世界では、ドラちゃんはネズミに耳を齧られたと言う事でだいぶ
　男の値打ちを下げたと、言う奴もおりますけん」

「わが息子かいじんよ・・・」

ゴッド・ファーザーが言った。

「ドラちゃんはロボットじゃったろうが・・・
　ほいじゃけえ、もしドラちゃんと、ターミーネーターが闘うたら
　どっちが強いんかのう？」

　僕はそれについてしばらく考えてみた。

「・・・やっぱり、ターちゃんの方が強いんと違いますかのう。」

僕がそう答えると、ゴッド・ファーザーは幾分、表情を曇らせた。

「ほいでも、ドラちゃんのポケットにはいろんな得物（武器の事）が
　ぎょうさん詰まっとるんで？」

ゴッド・ファーザーが言った。

「ほうじゃったですのう・・・ドラちゃんがええ道具を使うたら
　ドラちゃんの方が強いかも知れんですのう。」

僕がそう答えると、ゴッド・ファーザーは少し安心した表情になり
運ばれてきた、おやつのドラ焼きを手に取った。

「それにしても、やっぱし猫とネズミは仲が悪いんか・・・」

ゴッド・ファーザーは、そう言った後、何事か思案を巡らせている
様だった。

「わが息子かいじんよ・・・」

しばらくして、ゴッド・ファーザーが言った。
「じゃったら、ミッキーとネズミ男は仲がええんかのう？」

僕はそれについてしばらく考えてみた。

「マイ・ファーザー・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

「ねずみ男はネズミとは
違いますけん！」

僕は答えた。

・・・

「やっぱしミッキーとネズミ男が、パレードで
　並んで手を振っとる所は見れんのかのう・・・」

ゴッド・ファーザーはそう言って寂しそうな
表情を浮かべた。

　　　　　　　　　（完）

このプログのＰＶ（出演・マーロン・ブランド　かいじん他（笑））

http://www.youtube.com/watch?v=14Phpk-8OJY