シリア軍パイロットがヨルダン亡命
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- 2012/06/22 20:56:07
[アンマン 21日 ロイター] シリア空軍のパイロットが21日、戦闘機で隣国ヨルダンに到着し、同国に政治亡命した。シリア軍用機を使って亡命が行われたのは、昨年に反政府デモが始まって以来、初めてとなる。
ヨルダン当局者によると、亡命したのはハッサン・ハマダ大佐で、ミグ21戦闘機を同国の空軍基地に緊急着陸させた直後、政治亡命を求めた。同国政府は亡命受け入れを決定した。
シリアの国防省はこれを受け、「(ハマダ大佐は)シリアと政府軍に対する反逆者だ」と非難。また、軍用機の返還についてヨルダンと協議していることを明らかにした。
米国防総省の報道官は、「(米政府は)これまでシリアの政府軍や当局者に対し、弾圧に関わるのではなく、地位を放棄して離反するよう求めてきた」と述べ、大佐の亡命を歓迎した。
反体制派筋によると、ハマダ大佐は44歳で、北部イドリブ出身のイスラム教スンニ派。亡命前に親族をトルコに避難させていたという。シリア空軍や陸軍の兵士の多くは同国で多数を占めるスンニ派である一方、軍幹部や情報当局者の大半は、アサド大統領などが属する少数派アラウィ派で構成されている。
一方、首都ダマスカスや西部ホムスなどシリア各地では、政府軍と反体制派の衝突などが21日も続き、英国に拠点を置くシリア人権監視団によると死者は125人に上っている。
http://jp.reuters.com/article/jpAntigovernment/idJPTYE85L01H20120622