忍猫物語外伝2
- カテゴリ:自作小説
- 2012/06/22 23:14:06
※下記SSは、うちのニコペットが主役の、ニコッとタウンを舞台としたお話です。
※基本的に、軽いノリのお話なので、感動するものは何もありませんが、箸休めにどうぞ。
其は、白き美獣。
其は、雪国からの研修生。
其は、北の女王と冬将軍の娘たち。
其は、ニコッとタウンへの侵略者と戦う白き狩人。
其は――
第2話 「魔犬(前編)」
そわそわ、そわそわ。
「冷香ちゃん、砂場はあっちよ~」
「トイレではありません、姉上(ジト目)」
「分かってるわよ~。でもね、わたしたちは見張り番なんだから、
あまり動きすぎると倉庫の屋根の上に潜んでいる意味がなくなるのよ~?」
「農園の見張りなど、カカシにやらせておけばよいのです(嘆息)」
妹の冷香が世情に疎いことを言うので、姉の氷冴が小耳に挟んだ情報を披露してみせる。
「農園に設置するカカシ、高いらしいわよ~。トマト120コ分くらいするらしいの~」
「で、経費削減で、アタシたちが夜間の見張り番を押しつけられている、と(肩竦め)」
先日、開園したばかりの忍猫養成所「猫の穴」付設農園ではあったが、目下のところ農作物の被害にオーナーは頭を痛めているようだった。
「いつまで続くのでしょうか、この雑用は(困惑)」
「犯人が見つかるまでかな~? 早く雑用から解放されたければ、冷香ちゃんが自首すればいいと思うの~」
そわそわ。
「姉上、可愛い妹を売らないでください(汗)」
「忍猫養成所の修業を全行程終え、あとはただひたすらキノコを食っちゃ寝するだけの生活に飽きて、冷香ちゃんが好奇心から新しい物のお野菜をつまみ食いしたという筋書きでどうかな~?」
そわそわ、そわそわ。
「ま、毎日キノコを10食も摂取していますから、今更プチトマトくらいで動じるアタシじゃありません(目逸らし)」
「あらあら~、たとえ話よ、たとえ話~。ところで、こんな格言を知ってる? 『好奇心、ネコを殺す』って~。母様や父様の元へは、修業中の不慮の事故という形で訃報が届くのね~」
そわそわそわそわそわそわ。
「冷香ちゃん、砂場はあっちよ~?」
「だから違いま――す? ・・・姉上、あれを(真剣)」
倉庫の屋根の上から、妹が鋭く飛ばす視線を追った氷冴は、農園の木柵の中にぽっかりと地面に空いた穴を見つけた。
「あらあら~、犯人はモグタくんだったのかしら~? ちょっと残念だわ~」
「姉上、残念って・・・(汗)」
屋根から飛び降りようとした姉妹猫は、次の瞬間には予想を裏切られることとなる。
「ヒャッハーッ、シャバの空気はうめーZE」
マンホールほどの大きさの地面の穴から出てきたのは、仔モグラとは似ても似つかぬシルエットだった。
漆黒の毛並みを持つ痩躯の犬、ただし、その両眼は不自然なほどに朱い。
「さてさて、今夜はここの食い物をいただこうKA」
灼眼の黒犬が農作物に向き直り、まさに第一歩を踏み出そうとしたところで、その足元に十字手裏剣が突き刺さる。
「待ちなさい、そこのケダモノ!(怒)」
しゅたっと、屋根から跳躍し、空中三回転を決めてから、冷香が満点の着地で黒犬の背後を取る。
「貴方に食べさせる食べ物などありません。運が悪かったと思って、大人しく生贄になりなさい(真顔)」
「おいおい嬢ちゃん、オレ様をそんじょそこいらのワンコと思うなYO」
黒犬の朱い瞳が怪しく輝き、瞬時に冷香は危険感知能力が臨界点を突破した。
猫の穴で鍛えに鍛えまくった瞬発力で、大きく後方に跳躍して間合を取り直そうとしたところで、視界の端で相手が口を大きく開く姿が映った。
黒犬の口から吐き出された火球は、バックステップ中の冷香の至近距離で弾け、周囲に炎熱と衝撃をばら撒く!
体が宙にあった冷香は、衝撃波に対して為す術もなく後ろにあった海に叩き込まれ、濡れ鼠ならぬ濡れ猫に早変わりする。なお、忍猫養成所では泳法も必須であるため、彼女は猫掻きで海面に顔を出した。
「なるほどね~。裏事務局にゃんから聞いていたけど、魔界のチャペルとゲートが直結した際に、魔界のチャペルを経由して隣の大魔界から密入国してきた魔界生物が結構いるという噂は、ホントだったのね~」
こちらは静かに倉庫の屋根から降りた氷冴は、妹を退けた相手を緊張の色もなく眺めていた。
「オレ様は魔界の猟犬ヘルハウンド、平和ボケしたチャペルの連中と同じだと思うなYO」
「あなたも運がなかったわね~、よりにもよってここのお野菜を狙うなんて~。身柄を拘束して、大魔界に強制送還してもらうから、大人しくしててくださいね~」
対峙する白い美獣と黒い魔獣、
白い月は、その夜最も高い場所へ昇り詰めようとしていた――
つづく


























ご感想、ありがとうございます( ̄ー ̄)b
う~ん、確かに本文は文字ばかり、
しかも一行空けなどもないので、読みづらかったかと思います^^;
息抜きに挿絵みたいなものが入れられたらよいのですが、
ブログの形式からして、口絵しか挿入できそうにありませんw
可愛いシスターズ、
今後さらに下の妹たちも忍猫養成所「猫の穴」にやって参りますので、
どうぞ可愛がってあげてください(*^^*)
↑をUPしたときは、まだカカシ様がおりませんでしたが、
それからがんばってDコインを溜めて、カカシ様をお招きしましたので、
白にゃんこシスターズは農園の見張り番から解放されていることでしょう^^b
この続きですか?
三女・冷香の卒業まであと4日、今日あたりにUPしようという魂胆です>ー<
なんか、すごいです。
文章力というのでしょうか、
横文字でこれだけ量があると
読みにくいものですけれど
すらすら、読むことができました。
シスターズ、かわいい^^
農園ネタがニコタでリアル?
個人的につぼでした。
つぎが読みたいと思わせるところで
終わっていて、つづきが楽しみです。
ご感想、ありがとうございます( ̄ー ̄)b
殿下の情緒溢れる物語に比べたら拙作など(/ω\)
まぁ、ライトなノリでしたら、得意かもしれない気がしなくもなかったりw
冷香がきのこを食べ尽くして、猫の穴を卒業するまでには、後編をアップしたいと思っております^^b
お手隙でしたら、またよろしくお願いします^^
さすが南ちゃん!!!!!
映像が目に浮かぶ作品でしたヾ(*>∀<)ノ゙
つづき期待してます✿*
共通の知人はおりますが、こちらでは初めまして^^
ご感想、ありがとうございます( ̄ー ̄)b
すごい物語がある?・・・某所で噂が独り歩きしているかと^^;
気力と時間の都合でだいぶ流れを端折った拙作ですが、楽しんでいただけて光栄です(*^^*)
それがしのニコ友には及びませんが、暇潰しにまたどうぞ(^^)ノシ
何やらすごい物語があるという噂を聞き、お邪魔しました。
忍猫・・・面白い!ですね。会話のやり取りで臨場感が出て、スピード感もあって、続きがとっても楽しみです。
ご感想、ありがとうございます( ̄ー ̄)b
小ネタはぽつぽつとあったのですが、文章にする時間がなくってねぇε=(^_^;A
タイムリーなことに、ニコタが魔界と接点を持っているこの時期に、時事ネタを織り込んでみましたw
ついでに、タイムリーな農園ネタも組み込んでおります>ー<b
忍猫たちのバトルシーンは後に取っておこうかと思っていたのですが、
氷の白猫VS炎の黒犬の対決で、思いっきり前倒しになってしまいました^^;
後編では、白にゃんこシスターズの真価が発揮されるかと思いますので、乞うご期待w
映像化ですか、その前にシスターズの人化コーデを誰かにやってもらいたいところです>v<b
それがしでは、真っ白な衣装を持っておりませんからなぁ^^;
ヘルハウンドの方の人化コーデなら、それがしでも出来そうな気もしますがw
まぁ、次回への課題ということで^^
後編はしばらくお待たせするかもしれませんが、
内容を忘れたときはまた前編を読み返していただけると幸いです(^^)/~
いやはや、何時の間にこの様な大作を仕上げていらっしゃったのやら^^
いろいろとコメントをしたいところですが、書き出したらキリが無いのでなるべく控えますが、
先ず初めに、主の姿を少しの会話で見事に表現しておりますw
今回はモグラ親子が出てくるかと思いきや、いきなり現れた黒犬!
魔界の猟犬と名乗るラップな犬との所見で姉と妹の性格と姿を見事に表現されておりますね♪
この闘い、果たしてどうなるのかとても楽しみです><b
これはしかし・・・映像にしてみたいものですね^^