エジプト大統領に初のイスラム主義勢力
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- 2012/06/25 20:30:26
去年のムバラク政権崩壊後、初めてとなるエジプトの大統領選挙で、選挙管理委員会は穏健派のイスラム主義組織「ムスリム同胞団」のムルシ氏が当選したと発表しました。エジプトにイスラム主義勢力の大統領が誕生するのは初めてのことです。
「ムルシ氏の勝利の一報に支持者たちは大歓声をあげています。きょうは長い夜になりそうです」(記者)
選挙管理委員会の発表によりますと、「ムスリム同胞団」のムルシ氏は、軍出身でムバラク政権で首相も務めたシャフィーク候補におよそ88万票の差をつけて勝利しました。エジプトにイスラム主義勢力の大統領が誕生するのは初めてのことです。
宗教色の濃い政権になるのではないかという懸念に対してムルシ氏は、テレビ演説で「全てのエジプト人のための大統領になる」と宣言、「現行の国際条約も全て尊重する」と、イスラエルとの平和条約についても継続する考えを示しました。
一方で、ムバラク政権が崩壊してから政権を担当してきた軍の最高評議会は、これまでにムスリム同胞団が多数を占める議会の解散を宣言するなど、大統領の権限を制限する動きを見せていて、今後は軍とムスリム同胞団との権力闘争が本格化するとみられます。
http://news.tbs.co.jp/20120624/newseye/tbs_newseye5063998.html
エジプトはピラミッドで有名な古代文明の発祥地で、中東戦争の後に共和制国家となった
国です。
グローバル経済を取り入れようとした結果、貧富の差が広がり、国民の大半が1日2ドル
以下の生活を強いられる状態になり、不満が高まっている所にジャスミン革命が発生した
ことから、エジプトはシリアやリビアの様に抵抗する事を殆どせず、初期の騒乱で民間の
死者が発生した時点で大統領が自ら辞任を表明し、新しい大統領を決める為に選挙を
する事になりました。
しかし革命を成し遂げた民衆に、これと言った指導者が居たわけでもなく、民衆が経済の
悪化した現状に、ただ不満をぶつけた事が大きな原因で、悪口は言えてもこうしたら良い
と言う解決法が有るわけでなく、選挙で新しい大統領を選ぶ段階になってかなり苦労を
したようです。
特に今回の大統領候補で有力な二人が、1人は以前のムバラク大統領を支えていた
副官だった事と、今回当選が有力となっている候補も、イスラム教スンナ派の原理主義
であることから、アメリカとの関係悪化に繋がる可能性もあるため、選挙での票がかなり
近接しているようです。
日本でもそうですが、民衆が文句を言って自分の国の政治家をつぶすことは出来ると思い
ますし、声高に政府の悪口を言う人も目に付きますが、現政権を引きずり下ろしても、
将来のビジョンも無くただ不満を言うだけでは何も解決せず、悪戯に政治の混乱を招き、
政策が2手3手と遅れてしまうだけと言う事でも有ります。
民主化がブームの様に広がっていますが、民主政治を悪く言う言葉に「衆愚政治」と言う
言葉が有ります。
民衆が愚かだと民主主義はバカの集まりにしかならないと言う嫌味でも有ります。
そうならないように、エジプト政権にはしっかりと舵取りが出来るリーダーが求められます
が、現在どちらに舵を切ってもあまり良いほうには転ばない空気が漂っています。