Nicotto Town



ルドン 私自身に

返却期限を一週間過ぎてしまったので図書館に返してきました。

「著者:オディロン・ルドン」ということで自伝なのかと思ったら。展覧会の案内に付けた自己紹介文「芸術家のうちあけ話」と雑多な覚書の「私自身に」、書簡が内容でした。あくまでも他人に読ませる意図が無い覚書からはよくわからない文章も多いですが、ルドンの感性の豊かさや孤独感のようなものが感じられてルドンを知るためには不可欠な書でした。

よくわからないのはまず、注釈がとても少ない。たとえば「サロンに参加し、妻となる女性と知り合った」とわざわざ注釈があって。その後のページの覚え書きに「愛が~~」と書いてあるので当然、「未来の妻」との恋愛かと思ったら。さらにその後に「三度失恋して・・」という感傷旅行の文章が入ってる。妻とはどうなった???別に伝記が必要かな。とは思うけどそれだと全然別な内容になるから、あえて覚書を集めたのかな??

この本をもとに、ちょっと流行った『怖い絵』という本でルドンの「キュクロプス」という一つ目巨人の絵が取り上げられ〈ルドンの黒い絵や目玉の絵には母親に捨てられたのではないかという孤独が反映されてる〉というようなこと(うろ覚え)が書いてあったけど。そうでもないようなそうでもあるような。ルドンは「黒は最も本質的な色だ」と語っているし観察の重要性を何度も説いているし、しかし、やっぱり変なことに「芸術家のうちあけ話」で自分の父や伯父(義父)について数行費やすのに母親については「父はフランス人女性と結婚した」「(フランスに帰国した時)母の胎内には私がいた」とあるのみ。一体何があったのか、かえって謎が深まった。

 

しかし、芸術家の感性の豊かさか、フランス人のせいか、蔵書家の友人の影響かルドンの覚え書きのいくつかは実に美しい。やっぱり欲しい。どっか古本屋で安く出てないかな。。と思う日々です。

⇓お気に入り文章

書くのは最大の芸術だ。時間と空間を横切る、明らかに他の芸術以上のものだ。(本読みの友人のクレヴォーの影響で本もかなり読んでいたらしい)

冬の終りの重々しい日、自然は停止して動かない。死の息吹きと生の予告の間にあるこの休止の時、時間はおごそかな大きさがある。沈黙と最後の荒廃が、やがて来る目覚めを準備する。

 

師;スタニラス・ゴランの言葉
「私自身が芸術家なのだ。だから鉛筆の線一本引くのにも、私自身の感受性と理性が伴っていなければならない」

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2012/06/27 06:57
図書館行きたい・゜・(つД`)・゜・
本屋で漫画大人買いしたい・゜・(つД`)・゜・
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2012/06/27 00:51
翻訳家も頑張られたんでしょうね。

芸術家は見えないものを見ようとするから
正常を逸脱しやすいといいますね。。

ルドンの絵は、なんていうか。。
饒舌な孤独みたいなイメージがあります。
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2012/06/26 22:30
ん~深いですね。

私には・・・
あははマンガのほうが良いかな(笑)
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2012/06/26 22:29
…ウドンかなァ…って、思ったよ…\(◎o◎)/!
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2012/06/26 21:59
線一本にも感受性とか理性が伴う・・・・うーん、哲学ですね~
書くのが最大の芸術って言葉は私も気にいりました(^-^)



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