中国製の戦車、輸出戦線でロシア製に勝利
- カテゴリ:ニュース
- 2012/06/28 21:56:09
26日、中国製戦車が質の高さと価格の安さで発展途上国で高い人気を誇り、旧型戦車を安価に売り込もうとするロシアの計画にダメージを与えていると香港紙が報じた。写真は吉林省の国防園。退役した戦車などが展示されている。
2012 年6月26日、新華網によれば、南スーダンのロシア製T-72戦車がスーダンの中国製96式戦車に撃破されたという噂がネット上で広まっている。香港「星 島日報」紙は、中国製戦車は質の高さと価格の安さで発展途上国ではきわめて人気が高いとし、旧型戦車を安価に売り込もうとするロシアの計画にダメージを与 えていると報じている。
ロシアの軍事誌モスクワ・ディフェンス・ブリーフによれば、2010年にロシアが販売した最新のT-90S戦車は わずか20両。2011年にウガンダが購入した30両を含めても、同時期に中国が輸出した戦車の数には及ばない。また、T-90S戦車は最新モデルではあ るものの、実際にはすでに旧型となっているT-72戦車をベースに改良したものであり、搭載されている技術の割に価格が高いという。
一方、中国の輸出向け軍備は顧客の様々な需要を技術面でも価格面でも満たすことができるようになっており、輸出向けのVT-1A戦車は2010年にT-90Sを“撃破”するかたちでモロッコ陸軍に150両輸出する契約が結ばれている。
ま た、旧式となった戦車の更新が急務となっているミャンマーとバングラデシュも中国製の輸出向け戦車MBT-2000を購入しており、台湾の軍事誌「亜太防 務」は今後10年以内に中国の戦車がローエンド~ミドルエンドの市場を独占し“敵なし”の状態になるかもしれないと伝えている。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=62462
T-72戦車は1971年に開発された旧ソビエトの第2世代主力戦車です。
車体自体の前面装甲は280ミリとやや薄めなものの、当時珍しい膨らみのある複合装甲
で、鋼鉄装甲板にセラミックやガラス繊維などを織り込んでいたため、その効果は500ミリ
から600ミリの装甲に匹敵していました。
しかし輸出用T-72は、輸出国にあわせてダウングレードを行っており、値段の高い
複合装甲を使用していないモンキーモデルと呼ばれる車両を販売していました。
その為湾岸戦争では、メルカバやM-1エイブラムス、チャレンジャーと言った戦車に
輸出用T-72が一方的に破壊される結果となり、ロシアの戦車の信用を落とす結果と
なってしまい、T-90はその信用を取り戻す為にモンキーモデルを廃止し、輸出する国
によっては本国よりも強力な戦車を販売しています。
96式戦車は1996年に開発された中国の戦車で、2.5世代戦車にあたります。
T-72と同じ2A46系の主砲を搭載し、車体前面と砲塔前部に複合装甲ブロックを付け
ており、装甲が破損した場合にはブロックごと交換が出来るようになっています。
ロシアもウクライナも2A46系の主砲製造技術を中国に輸出していない為、パキスタンに
技術供与された技術を85式戦車の共同開発時に手に入れたといわれており、射撃制御
などはほぼ旧式の85式戦車と同じものを採用していますが、オプションで暗視装置等が
取り付けられるようになっていたり、1発500万円もする9M119レフレスク対戦車ミサイル
を砲身から発射できるようにしていたりと、ロシア本国使用のT-72と同等の攻撃能力に
なっています。
VT-1A戦車は2009年に開発された中国の輸出用2.5世代戦車で、パキスタンと共同
開発された車両です。
劣化ウラン弾を使用でき、戦車長が砲手をオーバーライドして砲撃できるシステムを搭載、
従来の中国製コピー砲身での弱点であった砲身の寿命や弾道性能の向上を果たし、
既存のコンポーネントを多用することによって、96式戦車での弱点であった機動性を
確保し、長時間の持久戦にも耐えられるように設計されています。
ウクライナ製ディーゼルエンジンと、イスラエル製射撃統制システムを採用。
装甲は溶接鋼板ですがモジュールセラミック装甲の上に、EPA(爆発反応装甲)を装着
するなど、防御力も上がっています。