Nicotto Town


ボーヤのブログは、一日にして成らず ^o^;


金銀ボーヤより愛をこめて (連載 第3話)



「あ、そうだ! 銀ボーに見せたいものがあるから、ちょっと船長室に来てみて」
「え? 何だろうね? 行かなきゃ見れないものなの?」

「うん。 意外に大きいものだからね」
「え? 何だろうね? パイプをくわえた、木彫りの船長さん人形だったりするのかな?」

「違うよ、これこれ! ジャーーン!」
「え? 樽(たる)? でも、その樽、切れ込みがたくさん入ってるから、中身がもれちゃうよね?」

「え? これには、液体は入れないよ!」
「え? じゃあ、何を…。 あっ! こ、これって、あの伝説の海賊おもちゃ 『黒ひげ 危機一髪!』 なの?」

「そう! 大正解!」
「でも、それにしては、ずいぶん大きいね…」

「それもそのはず、これが実物大の本物だから! これをモデルに、おもちゃが作られたって話だよ!」
「え! そうなの? でも、なんでそんな凄いものが、こんなところにあるんだろ?」

「さあ? そこまではよくわからないけど…。 そんなことより、これ実際にやってみようよ! 誰か入って
 くれる人は、いないかな…?」
「え! 本物の人間が、樽の中に入れるの?」

「そうだよ!そして、樽の穴に剣を一本ずつ刺していって、当たりが出たら中に入ってる人が飛び出…」
「ちょ、ちょっと待って! ま、まさか、本物の剣を刺していくわけじゃないよね?」

「まさか!マジックショーじゃあるまいし! ちゃんと、先が丸くなった剣をさしていくよ!」
「そうなの。それなら、よかった…。 でも、当たりが出たら勢いよく飛び出して、天井に頭をぶつけたり
 するんじゃない?」

「まさか! 天井なんて突き破って、宇宙まで飛んで行くって話だぜ!」
「えーーッ! ドンダケ~!」

「そして、” やはり地球は青かった! ” って言って、帰って来るわけ!」
「ね、ねぇ? 感動的な話ではあるけど、ちゃんと元の場所に戻って来れるの?」

「さあ…、たまには、ロサンゼルスの方に行っちゃうかもしれないけど…」
「えぇ! こ、この樽で遊ぶのは、けっこう勇気が要るね?」

「そう! だから、勇気ある海賊にふさわしい・・・ な、何? 今、すごい音がしたけど?」
「うん。 かなり揺れたね?」

「じ、地震かな?」
「あの? ここは、海の上ですけど?」

「それもそうだね。 じゃあ、2等航海士に聞いてみよう・・・ もしもし、何かありましたか? え? 氷山に
  衝突した? なんでまた?」
「(え? 氷山にぶつかったのに、意外に冷静だね?)」

「今日は、霧が深くて見通しが悪かったから発見が遅れて、避けようとしたけど避けきれなかったので、
 体当たりしてやった? えらいっ! それでこそ、海賊!」
「ね、ねぇ! 大丈夫なの? そんなことして!」

「大丈夫だって! 相手は氷山だよ! 痛くもかゆくもないって!」
「そ、そういう問題じゃなくて! 水でも入って、沈没しなければいいけど…」

「何を言う、銀ボー! この船は、絶対沈まないと言われている 天下のゴールデン・オパール号だよ!」
「そ、そうなの? 絶対沈まないの? そこまで言い切られると、なんだか安全な気がしてきた!」

「だろ? あ、そうだ! これから甲板に行って、氷山のかけらでカーリングしようぜ!」
「いいねぇ! あとさ、小さいかけらを集めて、カクテルを作って飲もうよ!」

「よし! そうと決まったら・・・、 え? なあに? ふ、船底から浸水してる? ヘタすりゃ沈むかも?」
「えぇ! ど、どうするの? かき出せる量じゃないよね? きっと…」

「ぜ、絶対沈まないと言われていた この船が し、沈む?」
「あ、安全神話、崩壊~」

「じゃ、じゃあ、最悪の事態に備えて、ご婦人と お年寄りを先に救命ボートに乗せるよう指示しよう…」
「あ、あの? この船、海賊船だから、荒くれ男しか乗ってないけど…」

「あ、そうだった。 じゃあ、き、緊急事態速報を出さなきゃ。 か、海賊諸君! お、落ちつけてください!」
「え? 落ち着いてだよね? こんな重要ところで、オチつけて終わっちゃっても困るからね?」

「緊急事態速報、緊急事態速報! 只今、船底付近で浸水が確認されました。 くみ出そうという無謀な
 ことはせず、ただちに非難してください。 繰り返します。 と、とにかく、急いで逃げてくださーい!」
「うわ、さすがの海賊たちも、クモの子を散らすように逃げていくよ…」

「あ、救命ボートを取り合いしてる…。 この船、豪華客船だから、海賊たちが一人一艘乗ったって有り
 あまるくらい救命ボートがあるのに…」
「船を見たら取り合いしたくなるのが、海賊の習性なんじゃない?」

「じゃあ、銀ボーも、今のうちに非難しなよ」
「え? 金ボーヤは、逃げないの?」

「うん。 オイラ、船長だから…」
「え? 何言ってるの? そんなこと気にしてないで、どんどん逃げようよ!」

「残念ながら、オイラは、この船と運命を共にする宿命だから…」
「じゃ、じゃあ、オイラも、ここに残るよ!」

「え! 銀ボーは、逃げなよ!」
「逃げないよ!」

「オイラにかまわず、銀ボーだけは生きのびてよ!」
「いいよ!」

「よかないよ!」
「だって、オイラばっかり生きのびたって、金ボーヤのいない人生なんて楽しくないもの!」

「ぎ、銀ボー!」
「き、金ボーヤ!」

 ギュウ

「こ、こんな感じで仲良くやってます、金銀ブラザーズですけどー」
「そ、そんなこと言ってる間にも、船がどんどん傾いてきたけど!」

「な、なんだろうね? この なさけ容赦ない展開は?」
「うん、だ、誰だろうね? 今回のブログを書いているのは?」

「お、オイラたち、このまま沈んで 海のもずくになっちゃうのかな?」
「え? もずく? け、健康には良さそうだけど…」

「で、でもさ、けっきょく死んだら風になっちゃうんだってよ!」
「え? そ、そうなの? そんな空気みたいな存在は嫌だよね?」

「うん…。 ど、どうせなら、星になるってのはどう?」
「あ、いいね! そ、そしたら、スターのごとく輝いてやろうよ!」

「い、いっそのこと、『金銀ボーヤ座』 になっちゃう?」
「あ、そ、それいいね! ヘビ使い座以来の新しい星座の出現かー? って、天文学会は大騒ぎかもね?」

「うわ! さ、さらに傾いてきた! し、しかも、ミシミシいってるし!」
「く、くだらないこと言うと沈む仕組みになってるのかな? これ?」

「で、では、ここで一曲お聴きいただきましょう!」
「え? こ、この状況で、音楽って…? し、しかも、今回はラジオバージョンじゃないよ…」

「こ、こんなときこそ、DJ 金銀ボーヤの底力を、見せ付けてやろうぜ!」
「そ、そうしたいところだけど…」

「皆さん! 残念ながら、次の曲がオイラたちの最後の選曲になってしまいました!」
「では、魂の選曲をお聴きください! ザ・ブルーハーツの 『歩く花』 です」

歩く花 (THE BLUE HEARTS)
http://www.youtube.com/watch?v=e3HwUjn_76g


「うわー! つ、ついに水が入ってきた!」
「ひゃー! つ、冷たーい!」

「ぎ、銀ボー? 花はどうかな?」
「え? な、何の話? この状況で…」

「う、生まれ変わったら、花はどうかと思って…」
「あ、そ、それもいいねぇ。 ゆ、夢は増すばかり…」

「み、皆さん。今まで ご声援いただき、ありがとうございました。 オイラたちは、ここでお別れですが、
  悲しまないでね」
「皆さんと過ごした楽しい日々は、一生忘れません・・・」

アバター
2012/09/12 00:45
みらいさん
危機一髪とはならずに、タイタニックのように沈んでいくのです… (ノ゚ο゚)ノ オォ ノォォォ-
史実を元に書いてみた箇所もあるので、ちょっぴり リアルです (そうでもない?ww)

アバター
2012/09/10 00:35
今晩は♪

(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-

リアル黒ひげ危機一髪の展開かと思いきや浸水・・・
タイタニック号のように沈んでいくんでしょうか・・・

海の藻屑にならずに無事生還して欲しいですぅ。
金ボーヤさん銀ボーヤさんどうかご加護を~~。

ハラハラドキドキしますねぇ
こういうストーリー書けるなんて素晴らしいですw
ありがとうございましたwb
(o´∀`o)ニコッ
アバター
2012/07/05 22:30
みん♪さん
くりにゃさん

続編があることだけは、お伝えしておきます。。。
アバター
2012/07/04 19:45
何度も心の中で、ワイルドだなぁ^^とつぶやきながら読んでたら・・・
え?と、目が点になったんですけど。。
・・・ちゃんと生きてる続き、待ってまーす^^♪
アバター
2012/07/04 13:47
あら~~~~@@
麗しい金銀ボーヤの友情?にウルウルしちゃいました^^

金銀ボーヤ、どうなっちゃうの~?



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