女王様と有望な騎士。【アリスサークル短編】
- カテゴリ:自作小説
- 2012/07/15 10:43:18
#-彼女はわがままである
――――
生真面目なのが取柄です
ですが時には不真面目な時もあります
貴方の主としての命令には、きっと8割方従うでしょう
残りの2割は反発です
それを口に出すか出さないかは、貴方との信頼関係の度合いによります
貴方を信頼していれば、何でも口に出して貴方に私の意志を伝えるでしょう
貴方を信頼できなければ、私は鉄面皮を剥がない自動人形に成り下がります
何故なら私は、「したくないことはしない」からです
いけませんか。
――――
アリヒェン=ティガーナは面倒事が嫌いである。
「ナキ、それは砂糖じゃなくて塩」
それによる減給はもっと大嫌いだ。
事に、それが他人が起こした事であるなら尚更に。
「へ?!」
どがっしゃーんっ、とその瞬間、白いタイル張りの厨房に、塩がぶちまけられた。
盛大な音はアリヒェンの怒りという名のゲージを一気に頂点近くまで高騰させ、
しかし途中でしぼんだ。
「…もういい」
――いつものことだ。
くくりをつければそこまで腹は立たない。
その代わりに不器用で仕事の下手でどんくさい、メイドを厨房から追い払う事にする。
ナキは、幼い頃に女王陛下に孤児院で引き取られた孤児だった。
女王陛下に気に入られている彼女が、しかしアリヒェンには嫌いだった。
すぐに失敗するし、 失敗して、失敗ばかりするからだ。
その責任は当然、女王陛下の側近としてアリヒェンに押し付けられる。
ダルアン様は気に為さらず接してくださるが、サム様は思いのほか厳しかった。
部下の失敗は上司の失敗である。
「――ッごめんなさい!」
ナキが泣き出す5秒前のような情け無い顔と大声で謝ってきた。
無視する。
ただ紅茶を頼まれて、
今まさに家族団らんを楽しむダルアン様たちにお運びするだけなのに
一体どれだけの時間を掛ければ気が済むのか。
紅茶が冷めたって間に合わない。
ぶちまかった塩をテキパキと箒で掃き塵取りで掬いゴミ箱へ入れるまで、所要時間は3分。
上出来である。
哀しくなるほどにすっかり冷めてしまった砂糖なし紅茶三つを間髪いれずに一気に飲み干して、
新しい紅茶を淹れるまでに2分。
上出来である。
謝り続けるナキを無視し続けてワゴンに3つの紅茶が乗ったトレーを乗せ、
入り組んだ廊下を最短距離で庭まで抜けてダルアン様たちの下へ。
1分弱。
上出来であ―――ったはずだった。
「遅いよ」
サム様に叱られなければ。
「申し訳御座いません」
ああ、ナキのせいなのに。
結局は私が怒られるのかと。
もう起こる気にもなれずに機械的に頭を下げた。
減給、という容赦無い冷たいアイコンタクトを送られ、ついでに「もうさがれ」の合図も受け取る。
内心で舌打ちをしつつ機械的に再び頭を下げ、背を向けた。
「いいじゃないサム、私は気にして無いし」
いつも通りのダルアン様のお優しいフォローを背に訊き、
アリヒェンは不条理という言葉の意味を改めて実感する。
美味しいー!と無邪気に飛んで来たフラン様の喜ぶお声が、遠い。
*
「…は?」
アリヒェンは最初、自分が何を言われているのか理解出来なかった。
知らせに来たのはレイヴンという"二代目黒の王"だった。
一見して背の小さい少年、顔立ちも幼げが目立ち、長いローブに着られている印象があった。
頼りなさそうだ、とアリヒェンは即座に判断し、しかし目測を誤ったことを恥じた。
「君の主が亡くなったよ」
直々に王が外を出歩く、などという事態がまず無かった
"黒の王"という存在は、アリヒェンにとって如何な価値を持っていたのか。
自分でもよく解らなかった。
失礼にも程がある無遠慮なアリヒェンの訊きなおしに、
レイヴンは気を害した様子も無く全く同じ言葉を二度、繰り返してくれた。
何を戯言を、と笑うことも一度目に考えたが、二度目には流石に引っ込んだ。
そろそろ信じるほかなさそうだ。
だがアリヒェンには、いささか不満が残っていた。
「御者の子も亡くなったそうだよ」
ナキが主たちを守れなかった事に。
何より、ナキが護衛に選ばれた事に。
だから何も感じなかった。
ああ、死んだのか。とあくまで淡白にしか。
あんな、ろくに戦うことも出来ない馬鹿なメイドに、どうして自分が先を越されねばならなかったのか。
城を守って欲しかったなんて、今更にだって言われたくは無い。
それほど頼りなく見えただろうか。
少なくともナキなどより、日々上手くやってきていたつもりだったのに。
「不満そうだね。あの鈍そうな子が選ばれたからかい?」
するとレイヴンがすっ、と自然に口を挟めてきた。
図星過ぎて言葉を失うアリヒェンの視線が足元に彷徨う間に、
「きっと戦いなんてするつもりは無いって意思表示だったんじゃないかい?」
君だったら真っ先に敵に突っ込んでたろ?と。
更なる図星を突かれ、その通りだと認めるのが嫌でつかめッ面を返してやった。
「あっはは、図星かい?じゃ、僕は伝えたから行くよ。新しい主探し頑張ってね」
そんなアリヒェンにくるりと踵を返して去っていく小さな王の背中を見送り、
"主になってくれるわけじゃない"のか、と密かに落胆していた。
レイヴンが去った後、やけに耳に痛かった静寂の中で呟く。
「…私は、わがまま」
一人ぼっちで取り残された、広い城の中。
アルヒェンはあくまで生きている。
"亡くなった主たちの城を守る召使"として。
アリヒェンに言わせれば、要らぬ称号である。
自分にとって、主とはただ付き従うためだけの相手なのか。
役への執着をいつまで燃やす意味があるのか。
果たして努力に成果はついてくるのか。
次なる主の下に、どんくさいメイドがいないことを祈りつつ。
アリヒェンは新たな主を探している。
対称的でおもしろいだろーなー(笑)
「言葉にできない」の後に言葉を続ければもっと乱用が可能です←
「言葉にできない絶望「言葉にできない感動」wwwwwww
また嬉しすぎて言葉にできn((ryry
恋愛に飢えていたところですwww
苦労人なアリヒェンちゃんにはオーラがマイナスイオンな子を作ろう
そして返ってくる「そんなの分かってるよ」という言葉ww
末期同盟・・・あれ、だんだん良く見えてきてしまうんですが(
あれ・・・何でだろう、悲しくなってきました
ま、まじでいいんすか・・・!
にゃんこかわんこの枠空いたら作ろうかとか思ってたけどもう作っちゃいます((
そして「お前もな」と言い返します←
末期同盟!組みましょう組みましょうwww
素敵な出会い・・・提供した(ry
言われ慣れたときの虚しさったらもうw
もなくずだなんてそんなwwwじゃあ私はなんだろう・・・www
おぉ!それは楽しみすぎて・・・!
そんなアリヒェンちゃんも好きですwww
た、たまには幸せなこともあっていいと思うよ!
いやぁ・・・末期かぁ・・・言われ慣れてしまった(
だ、だってリアルの周りは馬鹿と末期しかいないんd(ry
アリヒェンちゃん・・・頑張れ・・・
私は影からずっと応援してるぜ!
そして楽しそうなフランちゃんがかわいいですな!
あれ・・・笑顔が想像できる自分が怖くなってきました・・・w
買いたいけど・・・男キャラが・・・いねぇ・・・orz
カーターくらいだが カーターには記憶喪失ミューナちゃんがなぁ・・・w
分かるwまじで恨むwww
まぁ 実際サムに
「私のせいじゃありません、ナキが・・・っ」
なんていったところで
「あそ、で?そっちの事情なんて知らないさ。」
的な感じなんだろーなー サムは。
案外完璧主義者だから。
私なんか小説書くときはネタを必死に考えますハイ。
見習いたいですYO!←
なんかフランちゃんはムードンメーカー+みんなのアイドルですよね。
もう決定ですねええ!w
フランちゃんファンな私!(
本当です本当です
ネーミングセンス良すぎて泣けます。
私の持ちキャラのランウィとかエルシス名前まじワロスバロスです。はい。
家族にはベタ甘なのに
使用人たちには誰よりも厳しいからね
多分ビバルディよりも厳しいからね
うん
ぜってぇ サムの部下にはなりたくねぇ(